V.A. / JAPAN:NEW PSYCHEDELIC UNDERGROUND(独BOB 107) 全9曲、41分35秒
やる気なさ全開のスリーヴデザイン、いい加減な表記のアーティスト名＆タイトル、という事であまり期待しないで買ったこのＣＤ。どうせ既発表テイクの寄せ集めだろうとタカをくくっていたが、開けてみると昨年７月２０〜２１日に名古屋・聖家族で行われた磨崖仏＆ＰＳＦツアーのライヴ音源だった。勿論全て未発表テイクである。
収録されているのは５組。まずMAIN LINERはHIGH RISEタイプのヴォーカル曲「突き刺さる」を収録。演奏のヴォルテージの高さと割れまくりの粗い音質で、まるでMUSICA TRANSONIC。そのMUSICAは続いて２分前後の短い曲を４曲収録。こちらは割とダウナーなインプロという感じの演奏で、飛ばしまくりを想像していた私にはちょっと意外。MUSICAもハイパワー一辺倒でなく新しい方向性を模索し始めたのだろうか？ 吉田ソロは即興色の強い"SIRIUS"と、ライヴではおなじみのギター＆ドラムの同時演奏曲"OROVELA"の２曲。狼の時間は南条・河端がツインギター、MIDO MINEKOがキーボードに入ってベースレス編成。２人のアンビエントなギターノイズが全てを包み込んでしまうかのような曲。ラストは東方沙羅。狼の時間と同じ４人で、吉田のハンドドラム、河端のブズーキが独特の雰囲気をかもし出す。過去２回見たライヴでは音の雰囲気勝負だったが、ここで聴かれる演奏はより音楽的になった、という印象。
名古屋まで遠征して生で見たかった、という思いをつのらせる好作品。欲を言うならＣＤ制限時間目一杯まで入れて欲しかった。４０分ちょいじゃ少し不満が残るよね。