ギロチン兄弟／SUSPENSE CARRY PRO（日DOUBLE TRAP CMDD-00045）全25曲 74分25秒 定価\2,800
ギロチン兄弟は、勝井祐二とササキヒデアキの「本業をやらない」ユニットである。この名義では過去３作を発表しているが、留守電テープ・未現像フィルム・Ｔシャツといったものにカセットテープを付けて売るという形を取っている。４作目で初めてＣＤとなったが、「また何か妙な形態を取ってくるのではないか？」という買い手の期待（不安？）をはぐらかすように、普通のＣＤとして発表された。
内容は過去の作品に収録された作品の再録が中心となっている。ギロチン兄弟名義のテープコラージュ的な作品の他に、ゲスト参加している１４人のミュージシャンによるソロ作品が収録されているが、音楽的に特筆されるのはナスノ、大友・芳垣・増子ら。反対に吉田・安紀（かわいいけどね）・菊地成孔（らしいけどね）らのテイクは彼らの名前でＣＤを購入した人を確実に後悔させる？内容となっている。留守番電話が１１分間延々と続く１６曲目の中には、津山篤が「高円寺百景の新曲を作ったので聴いてくれ」と口三味線で歌う、なんて場面が登場するのが面白い。
とにかく万人には勧められないが、「ギロチン兄弟に興味あるけど過去の３作は余りにマニアックすぎて手が出せなかった」という人向けには最適のＣＤかも。「１０曲目の一部のサンプリングが今年１月のボンフルのライヴの『レシ』で使用されていたぞ」なんて重箱の隅つつきをしたくなるような人は、是非購入を。