SYSTEM 7 / GOLDEN SECTION（英GLISS RECORDS GLISSCD001）２枚組全16曲 61:34、62:39
SYSTEM 7の"SYSTEM EXPRESS"に続くアルバム。前作が過去の作品からのリミックス集的な内容だったので、オリジナルアルバムとしては"POWER OF SEVEN"以来となる。録音は今年１〜４月、来日公演の前後ということになる。
異彩を放っているのが２曲目の"DON CORLEONE"。この曲は76年の"L"のセッションで録音されたDON CHERRYのトランペットソロをベースに、タブラ、生っぽい音色のドラムマシン等を加えたもので、テクノという枠を大きくはみ出した魅力を放つ作品になっている。また、前半でドラムン・ベースぽいリズムが断続的に加えられるのも面白い。この「断続的」というのがミソで、ドラムン・ベースの何が退屈と言って、あの過剰なビートもずーっと同じ調子で聴かされるといい加減うんざりしてくるものである。やっぱり押しと引きは上手く使わないね。脳天気な１曲目よりもこの曲をシングルカットしてもらって、いろいろなミックスで聴いてみたい。
他のトラックでも、アジアぽいヴォイスとガムラン風パーカッションを中心にした"SIMON X FILES"や、生ピアノやギターのハーモニクス音のシーケンスによって構築した曲など、ユニークな試みを加えた曲が面白く聴ける。今までのSYSTEM 7のアルバムがテクノ過ぎて気に入らない、という方も一度聴いてみる事をお薦めする。