RUINS / REFUSAL FOSSIL（日／米SKINCRAFT ）全20曲 60:09
RUINS単独名義では95年の"HYDEROMASTGRONINGEM"以来、実に３年ぶりとなる新作。と言ってもこれは95〜97年のカセット録音によるデモテイクに近いものと、 97年2月7日、高円寺SHOWBOATで行われたRUINSワンマンライヴの後半、４人のゲストを迎えて行われた演奏をカップリングした、企画盤的色合いが強いものである。純粋な新作アルバムは４月頃発売予定との事で、こちらも期待大。
ここでライヴハウスに足を運べない方のために"HYDERO...."以来のRUINSの動きをフォローすると、96年春に前任ベーシストの増田隆一が脱退。その後"JAM JACK"というバンド（吉田によると「プログレ・ジャンク・バンド」だったそうだ）にいた佐々木恒が加入し、96年8月に新編成によるデビューライヴ。その後２度の海外ツアーを含めて精力的なライヴ活動を繰り広げていたが、新編成による作品リリースはこれまで「磨崖仏サンプラー」のビデオとCDのみ。これが初の単独リリース作となる。
まず前半は４／８トラックカセットで録音された、増田在籍時の旧曲を新編成によって録音したもの。音質はややチープだが内容は充実している。増田在籍時のライヴをよく見ていた人なら、おなじみの曲が多いのではないだろうか。クレジットには作曲年度らしきものが記されており、大体93〜95年の間のものだが、 90年・88年の曲も入っているのが面白い。これを機会に旧作品の棚卸しをといったところか。
続いて中盤４曲は増田在籍時のデモテイク。佐々木とのスタイルや音色の違いを聴き比べると面白い。
後半７曲はゲストに菊地成孔・EMI ELEONORA・山本精一・小口健一の４人を迎えたライヴテイク。録音はライン録りと思われ、一部ヴォーカルが歪むがなかなか高音質。内容的にも各ゲストの個性が生かされた面白いものとなっているが、注目すべきはここで演奏されている曲が、現在のライヴのラインナップからは外されている、古いアルバムからのものばかりという点。つまり通常ライヴではほとんど演奏されない曲も佐々木は完璧にマスターしているという事であり、その力量と、おそらく表には出てこないであろう質量ともにハードな練習ぶりは想像するに余りある。
このアルバムの最後を飾るのはライヴの定番プログレメドレー。スリーヴにはアーティスト名が記載されているが、自信のある方は曲名当てに挑戦してみよう。ちなみに私は２／３ほどの出来だったかな。