PIERRE MOERLEN'S GONG / FULL CIRCLE LIVE 1988(OUTER MUSIC OM-1006)
PIERRE MORLEN'S GONGはこのライヴが行われた88年に"SECOND WIND"を発表し、活動を停止している。その後の活動については、BON LOGAZAのユニット"PROJECT LO"にかかわった位でほとんど情報が伝わっていなかったが、最近のインタビューで「レ・ミゼラブル」等のミュージカル公演にパーカッション奏者として参加しているなど、フィールドは違えど活動は続けていたようである。
本CDは"SECOND WIND"録音時のライヴとあって、同アルバム収録メンバーがほとんど参加している。曲も冒頭3曲は同アルバムからのもの。他の曲では"LEAVE IT OPEN"がアルバムに比べて短縮ヴァージョンながら、それでも10分にわたって演奏され、この曲が重要なレパートリーだったことがうかがえる。この曲はMOERLENの5分ほどのドラムソロに引き継がれる。
演奏面ではBENOIT,STEFAN TRAUBのツイン・ヴィブラフォンが目立つ。特にMIDIヴィブラフォンが積極的に活用され、音の幅を大きく広げている。音はシンセやキーボードのものだが、奏法やヴォイシングがヴィブラフォンのもののため、ユニークな効果を生み出しているのが面白い。リードギターは元TRIBUTEのAKE ZIEDEN。こちらはフュージョンタッチのソロや意外にハードなバッキングのプレイを聴かせる。
欠点はジャケット。これだけ見たらアレン時代のバッタ物ＣＤみたいで、普通の人は手を出さないのでは？ 正統派ジャズロックファンにも聴いて欲しい佳作なのに、これだけは残念である。