RONRUINS / KETSUNOANA(PANDEMONIUM PAN-026)
ルインズは最近、ワールドツアーに行っては現地でセッションを録音し、１〜２年たって忘れたころにリリースするというパターンが定着している。この方法の長所は、日本では実現するのが難しいさまざまな組み合わせが居ながらにして楽しめると言う点。欠点は、リリースペースが遅いのでリスナーの手元に届くころにはもう「過去の音源」化してしまっている点だろうか。
前回は吉田とのデュオと言う形で２作品をリリースしたMOLECULESのRON ANDERSONだが、今回は佐々木恒を加えたトリオ編成。吉田関連作にしては珍しい、ジャケットのポップなアートワークに一瞬だまされそうになるが、内容はいつもどおり。ルインズ本体のような構築性はなく、スピーディでジャンクなRONの持ち味を前面に出したフリーセッション風である。しかし、RONによると思われるこの曲のネーミングセンスは何とかならないんだろうか？
このアルバムを出しているフランスのPANDEMONIUMレーベルは、カタログを見るとGROUND ZEROやZENI GEVAのカップリングＥＰをリリースして、日本のシーンとも連動してるようだ。また、気になるのはGUAPOというバンドで、サンプラーやターンテーブルを使ったプランダーフォニックス的アプローチのバンドのようだが、何とマグマを音源として使ったアルバムを出しているようなのだ。要チェック。