ROBERT WYATT / DONDESTAN REVISITED(HANNIBAL HNCD 1436)
ワイアットの９１年リリースのアルバムの改訂版がリリースされた。曲順・ミックスなどが変更され、さらにCD-ROMトラックも追加されている。ライナーによると、予算の関係で最後のミックスにはあまり時間をかけられなかったので、再ミックスは前から考えていたようである。
CD-ROMトラックはワイアットのインタビュー（自室でレコードを聴きながらと庭でティーセットを前にしての２種類）と、海辺の淡々とした美しい映像（ワイアットが車椅子で海岸を歩くシーンも）やジャケットのイラスト等のイメージ映像がほぼ交互に登場する１８分ほどのもの。プロデュースにはアルフレッド・ベンジの名前もクレジットされている。ビデオの進行に合わせて後ろ姿の猫のイラストが移動するのもなかなか洒落ている。また、RYKODISKのWEBSITEの中のワイアットの情報ページに直接アクセスすることが出来る。パソコン所有者はこれだけでも入手する価値があるだろう。しかし、CD-ROMトラックが収録されているのは輸入盤のみなのは何故だろう？
曲順改定によって、かなり印象も異なっている。"COSTA"で始まるオリジナルはやはり重苦しい印象を与えるが、"CP JEEBIES"で始まるこの改訂版は多少開放的に感じられる。このあたりは当時と現在のワイアットの心境の変化を表しているのだろうか。興味深い。個人的にはこのアルバム、"ROCK BOTTOM"と同ランク、 "SHLEEP"よりもやや上、という評価なので、再リリースを気に未聴の方はぜひ。