HUGH HOPPER / HOPPER TUNITY BOX('77年 仏CULTURE PRESS 3012842) 全9曲,40.48
さて皆さんは「ヤクラ入り」という言葉を知っているだろうか？ これは一時期某所で流行った言葉で、要するに「リリースが告知されたにもかかわらず、事情により発表が延び延びになり、そのまま忘れられてしまう事」である。この言葉もJACULAの"TERDO PEDE IN MAGIAN VERSUS"がＣＤ化されて死語となってしまったが、９１年にＣＤ化の情報が流れて以来ずっとリリースが遅れていたこれなんかは、「ヤクラ入りアルバム」の代表例だった。
前置きが長くなったが、HOPPERの代表作と言われていたこのアルバムも遂にＣＤ化された。実験性が強い"1984"や、多重録音＆やや音質が劣るライヴ録音の"MONSTER BAND"（これも今回同時にＣＤ化された）に比べると、バンド形態によるスタジオ作でDAVE STEWARTやELTON DEAN、GARY WINDOといった多彩なゲストを迎えて制作されたこのアルバムは、やはり代表作の名に恥じないものである。
ところで、ＬＰで聴いた方なら、「あの針飛びの部分はどうなっているのか？」という点が気になるところだが、残念ながらこのＣＤでもその部分は直っていない。４曲目の3.37と3.41の２カ所がその針飛び部分なのだが、マスターが発掘されずにＬＰから起こした音源なのか、それともマスターがこういう状態なのか。これだけは残念である。