金大煥、さがゆき、八木美知依2000/3/19 下北沢LADY JANE
昨年同所で行われていずれも素晴らしい内容だった、さが絡みの２つのデュオを合体させたトリオでのライヴです。前回は内容の良さに比べて客入りがイマイチでちょっともったいない気がしたのですが、この日はほぼ満員の入りでした。
１．八木１人が登場してメロディアスなソロ演奏でスタート。５分ほど続いたところで金が銅鑼と太鼓で加わります。この日も金は大きな銅鑼を脇に挟むような形で、体を使ってのミュートを加えながらの演奏。太鼓はスティックと太いマレットの２種類を使用。１０分経過時点でさががヴォイスで加わり、ここからトリオへ。３人が一体になって突っ走る場面は疾走感満点。短い時間でしたが素晴らしい内容でした。１３分ほどの演奏。
２．金はドラムセットへ移行し、落ち着きのあるリズムを提示。その上でさがと八木が自由度の高いやりとりを繰り広げます。２人のテンションの高さに触発され、要所で金の小爆発も挟まれます。途中金のドラムソロを挟み、さがのマシンガンスキャットが入ってデュオバトルへ移行、さらに八木のプラ板スクラッチ奏法が入り３人爆裂の演奏からさがのメロディアスなヴォーカル中心のパートで余韻を残しながらきれいなエンディング。２０分ほどの演奏。
３．金の刻むリズムに八木のスティックを箏に挟んだプリペアード奏法、さがのバードホイッスルなどが絡む形でスタート。八木の箏は弾くとガムランのような音になり、弦に挟んだスティックを叩くことによりパーカション的な使い方にもなります。さがは歌いながらディレイのつまみを回し、声にリアルタイムで変調をかけます。１０分ほどの演奏、この後休憩。
４．後半はまず金＋さがのデュオでスタート。改めて感じましたがこの２人の相性は抜群で、特に相乗効果で２人のテンションが徐々に上がっていく迫力はこのデュオならではの持ち味です。ロングトーンで歌い上げる場面からラストの爆裂バトルまで、１０分間に持ち技をたっぷり詰め込んだ充実した演奏でした。
５．予告無しの飛び入りゲスト、大倉正之助（鼓）と金のデュオ。銅鑼と太鼓に戻った金は、両手６本バチ奏法も交えてリズムを刻み続けるのに対し、大倉は全く刻まずに間をたっぷりと取ったかけ声と鼓を加えます。全く違った味わいの両者ですが、不思議な調和が感じられた面白いデュオでした。１０分ほどの演奏。
６．続いて金＋八木デュオ。金はドラムセットに戻ってリズムを刻み、八木はノーマイクでの謡いと不思議な和声感のアルペジオを加えます。後半は一転してテンションの高いバトル。この２人の相性もなかなか良好です。１０分強の演奏。
７．大倉を加えた４人全員での演奏。金は銅鑼＆太鼓へ。金が銅鑼で出すリズムに八木が手拍子や箏を叩いてリズムを加えます。さがは大小２種のベルを使用。静かな立ち上がりから時間をかけて徐々に盛り上げていきます。さがと大倉のロングトーンヴォイスの対比が面白い。１５分ほどの演奏。
８．金のドラムソロでスタート。これに途中からさが、八木、大倉が加わります。このセットは最初からいきなりハイテンション。大倉も鼓の手数がこの日一番の多さです。１０分弱の演奏。
９．アンコールセットは金＋さがのデュオ。途中でさががアリランのフレーズを歌い出したのは面白かったです。金へのサービスか？ デュオでやるとは決めていなかったようで、終演後さがは八木に「入ってくれば良かったのに〜」と言ってました(^_^;)。１０分ほどの演奏。
それぞれ質の高い多彩な組み合わせが楽しめ、満足度の高いライヴでした。