想い出波止場、OOIOO、THREE DAY STUBBLE2000/6/8 渋谷クラブクアトロ
このライヴは山本精一の完全個人企画ライヴで（ぴあ売りのチケットに「企画：山本精一」と書いてあるのが笑える(^_^;)）、とにかくTHREE DAY STUBBLEを呼びたいというだけのために行われたものだそうです。私のチケット番号は１３９番と遅いほうだったのですが、入場してみると先に入った客のほとんどはＴシャツなどを売っている売店に詰めかけており、結局今回も最前列をゲットできてしまいました(^_^;)。この日の客入りは凄まじく、開演時間の１９時ちょっと前にはフロアに座っている客に「立って前に詰めてください」という要請がなされるほどでした。また、この日の公演は全てスペースシャワーが収録していましたが、どのような形で放送されるでしょうか？
・想い出波止場２０８９
....だそうです(^_^;)。メンバーは山本(g)、津山(b)、羅針盤の吉田正幸(kb)、ラブクライのNANA(g)、ボアダムスのアタリ(ds)、そして最後のパートのみ河村光司(tuba)が入ります。メンバー登場前からステージ上でスモークが焚かれ、山本が冒頭MCをやったあとはそのまま最後までノンストップで演奏。津山の小型サンプラーから出る自然音のSEからスタートし、これに２本のギターのドローン状の音がフェードインしていきます。ギターの音がMaxに達したところでヘヴィなリズムが加わります。ハードなギターの音も相まって、まるでハードコアのようなサウンド。さらに山本とNANAが客を煽り、客席は凄まじい盛り上がり。山本はギターを置いてバレリーナのように回ったり白鳥のポーズを取ったりと、やり放題(^_^;)。山本のシャウトする力強いヴォーカルパートの直後に、２本のギターの絡みを中心にした７拍子のテクニカルなパートを持ってくるあたりの硬軟自在さは想い出らしいです。後半は演奏が落ち着いたところで山本の合図に合わせてエスニックなパーカッション音のテープが入り、これに山本の弾くトロピカルなメロディなどの演奏が乗るなどトランス色の強いものとなります。最後は河村も加わった全員での演奏で幕。前回９８年の時間をたっぷりと使って宇宙的な広がりのあるステージとは全く対照的に、３０分強という短い時間の中に様々な展開を織り込んだ集中力のある内容でした。今回も素晴らしかった。
・OOIOO
想い出が終わった時点で客席は凄い熱気。セッティングのために出てきたヨシミの第一声が「何これ？ 暑〜〜！」でした(^_^;)。いやほんと暑かったです。
主力メンバーのきょうこが病気欠場中（観客として来場はしてたそうです）のため、代役に「かやの」嬢を加え、さらにターンテーブルのL?K?O?を加えた５人でのステージ。L?K?O?が蝉の鳴き声をループで鳴らすイントロダクションが夏らしくて良いですね。かやの嬢はさすがにきょうこほどの存在感はないものの、特にヨシミとのハモリはなかなか健闘していました。しかしギターの音がきょうこのとほとんど同じ発信系の音なのは面白いです(^_^;)。演奏の合間にはL?K?O?が犬の遠吠えのような声を入れます。これが気に入ったのか終了後もメンバーや客席からこれを真似た声が飛びます(^_^;)。４０分強の演奏でした。
・THREE DAY STUBBLE
さすがに前２バンドに比べて最前列は人口密度が薄くなります(^_^;)。前説で山本が登場、「こいつらはほんまもんのアホです」「これ一筋２０年やってます」という解説に客席から笑いが。そして登場したのはけったいなアメリカ人のおっさん５人組。リボンの付いた高い帽子をかぶったメガネ男(g)、もみあげが異常に長く、あごのすぐそばまで伸ばしている（でもあごひげはきれいに剃っている(^_^;)）グラサン男(g)、上下ペイズリー柄の服を着たヤセ男(b)、栄養失調になったスタン・ハンセンのようなウエスタン男(ds)、そして巨大な蝶ネクタイをした、ユージン・チャドボーンか地底レコードの社長か（これは野田氏談）、といった風体の巨漢(vo)というメンツです。見るからにうさんくさそうですが演奏もその見かけを裏切らないもの。へんてこなヴォーカリゼーションを入れたり、お菓子や小物を盛んに客席にまいたり、アカペラから数十秒間動きを止めてそのまま何もなく終わったり、鶏（？）の真似をしてステージ上を歩き回ったり、訳の分からないパフォーマンスをやったり、口に水を含んで鼻から飛ばしたり、珍しくかっこいいＲ＆Ｒだと思ったらイントロだけで終わっちゃったり。さすがnerd rockを自称するだけのことはあります。というかほとんど子供ですね。実に無邪気です。で、感心したのが技術的な裏付けで、演奏する曲がトホホなものばかりなのでなかなか気づきませんが、特にあごひげの方のギタリストとドラマーの力量はかなりのものでした。
最後は津山がステージに登場してアンコールを要求し、もう１曲演奏して終了。１時間ちょっとのステージを終えました。