NOVO TONO、SPANK HAPPY、さかな2000/8/20 渋谷クラブクアトロ
NOVO TONO主宰による、女声ヴォーカルをフィーチュアした３バンドを集めたライヴです。この日は17時会場、18時開演。各バンドたっぷり聴かせても終演が遅くならないようにという配慮でしょうか。結局各バンド約1時間前後ずつ演奏、終演時間はそう早くもない21時30分過ぎでした。
・さかな（POCOPEN:vo&g、西脇g、勝井祐二vln、POP鈴木ds）
この日は都合によりPOCOPENはベースアンプを使用。音がこもり気味なのを気にしている様子でしたが、同じ中〜高域の楽器が集中しているバンド編成を考えるとこの方がかえって良かったように思います。気のせいか、いつもは楽器の音にマスクされ気味の歌もこの日は分離良く聞こえました。いつも通り淡々とした曲が多かったですが、最後の曲は珍しく弾けた曲でこれは新鮮味ありました。
毎度おなじみのPOCOPENのＭＣ。この日はカポタストを使った変則チューニングはうまく出来ずに西脇にやってもらい、その間にＭＣ。「次のライヴの対バンは『ファウスト』です。皆さんファウストって知ってますか？（固まる客席）....あ、すいません、『ファウル（fOUL）』の間違いでした。あはは」 SLAPP HAPPYの対バンまでやったことのあるバンドなだけに、本当に来月ファウストが来日公演するのかと思った人が何人かいたことでしょう(^_^;)。さらに「もうすぐアルバムが出ます。....が、私と西脇君と２人だけで作ったので....どんなもんでしょうか」なんだか自信無さげ(^_^;)。
・SPANK HAPPY（岩澤瞳vo、菊地成孔vo&CDJ）
１．インターナショナル・ラヴ・コンファレンス
２．アンニュイ・エレクトリーク
３．ねえ？ミス・インターナショナル
４．夜の政治と経済
５．麻酔
６．ボンジュール・アデュー
（アンコール）
７．インターナショナル・クライン・ブルー前任ヴォーカリスト、ハラミドリ脱退後初のライヴ。メンバーは新ヴォーカリスト岩澤瞳と菊地の２人のみ。ステージ上には２本のマイクと菊地のミキサーやＣＤＪ等の器材のみ。ここから出るオケをバックに２人が並んで歌います。しかも振り付き(^_^;)。曲はすべて新曲。菊地のポップでパラノイアックで迷宮的な歌詞が、ハウス／テクノな４つ打ちビートを中心にしたダンサブルな曲に乗ります。まかり間違えば(^_^;)ヒットチャートに乗ってしまってもおかしくないほどの高クオリティ。途中菊地がＣＤＪでフリーキーなサックスソロ（これがジャンニ・ジュビアの音か？）や大友良英ばりの発信ノイズを乱入させるなど、仕掛けも十分。３の終盤ではさりげなく"I LOVE YOU,I'M SORRY"のリフレインが出てきたりまします。旧来のファンへのサービスもしっかり。５ではノーリズムのストリングス・オーケストレーション（昨年の菊地・木津クインテットでも使っていた音源ですね）をバックに岩澤がソロでバラードを歌います。菊地はこのシチュエーションがよほどおかしいのか、照れくさいのか、笑い出してしまう場面がしばしば。岩澤は普段は事務の仕事をやっているそうで、客前で歌うのはこの日が初めて。さすがに歌もステージ上での振る舞いもまだまだ不慣れな様子でしたが、ルックス・声ともに初々しい魅力は十分。前任者のようなアクの強いパワーはまだありませんが、この逸材を菊地が今後どう育てていくか、要注目です。
この日のライヴは公式ウェブサイト上で事前にセットリストと歌詞が公開され、アンコール曲が用意されていることも告知されていました。果たしてどのくらい知っている人がいるか心配していたんですが、なんと盛大にアンコールの拍手が(^_^;)。みんなちゃんと見ているんですねぇ。
・NOVO TONO（PHEW:vo、山本精一vo&g、大友良英g&tt、えとうなおこkb、西村雄介b、植村昌弘ds）
本セット全９曲＋アンコール１曲。「うみへいこう」「ささえきれない暗さ」「ロボット・ロンド」そしてラストの「冒険者たちのバラード」以外の５曲は４月のワンマンライヴで演奏していた新曲で、これまでの主要レパートリーがかなりセットから外れていました。
この日目立った変化は、PHEWがカオスパッドを使用していたこと。マイクを２本立て、１本は生音、もう１本にカオスパッドをつないで自らエフェクトを加えながら歌っていました。またNOVO TONO主宰のライヴということで、自身曰く「初めてのＭＣ」に挑戦(^_^;)。「楽屋で練習したんですけど....失敗しました(^_^;)」「さっきまで楽しかったでしょ？ 私たちが出てきてから....（会場笑）」「やらなきゃ良かった〜(^_^;)」等々。なぜかステージ上の大友に大ウケされていました(^_^;)。
「ロボット・ロンド」で大友はまな板ギターによるノイズソロを披露。大友がこの手のプレイをやるのはNOVO TONOだけになってしまいましたねぇ。この時山本は演奏そっちのけで大友の演奏を見ていて、終わった後拍手までしていました(^_^;)。さらに「大友君、こんなことやっていいんですか？ 掲示板（どこの？）に書かれちゃうよ」。この日はすっかり大友の客になってしまった山本でした(^_^;)。
アンコールの曲はパンキッシュな激しい曲で、山本もビデオカメラに向かって中指を立てるなど大暴れでした。う〜ん、パンクだ(^_^;)。アンコールが終わって客電が点き、ＢＧＭが鳴っても再度のアンコールが終わっても拍手は鳴りやまず、最後は再びPHEWが１人で登場し、あいさつのみで終了。かくしてPHEWさんは生涯初のＭＣを１日で２度もやるハメになってしまいました(^_^;)。