COIL
2001/1/15 新宿PIT-INN
COILの昨年１１月に続く、セカンドアルバム"BIG GAMES"レコ発ライヴ第２弾です。今回はワンマンに加え、ゲストに勝井祐二(vln)、酒井泰三(g,vo)を迎えてのライヴです。
１．BIG GAMES
２．ELEKI DRAGON
３．SAND
４．GET TOUGH（＋勝井、酒井）
５．SMOKIN' WITH GINGER CIGARETTE（＋勝井、酒井）
（休憩）
６．LESS THAN ZERO（＋勝井）
７．HOT AX
８．LAND（＋酒井）
９．SUPER NOVA（＋勝井）
１０．WHIPPIN' POST（＋勝井、酒井 ALLMAN BROTHERSの曲）
（アンコール）
１１．BORN IN CHICAGO（＋勝井、酒井）
１〜３、７は鬼怒・早川・芳垣の３人で演奏。相変わらずストレートでパワフルなインスト・ロックです。音もデカイ。最近ではすっかり珍しくなってしまった「リードギターを弾きまくる鬼怒無月」がたっぷり見ることができます。曲の縛りがきつくないため、３人とも自由に暴れまわることが出来、非常にテンションが高い演奏です。確かにこのスタイルはもう完成形に達したように感じましたが、まさかこの後あんな事態になるとは。
４は酒井の曲で、本人のヴォーカルをフィーチュアしたワイルドな曲。シャープでソリッドな鬼怒とファットでパワフルな酒井の、２人のギターサウンドの対比が面白い。３人だけでも十分音がデカイのに加えて、酒井のギターのヴォリュームがこれまた凄い。５は芳垣のVINCENT ATMICUSでもおなじみの曲。大人数にもかかわらずギターレスのVAと、逆にこれでもかとばかり２人のギターが暴れるここでのヴァージョンは全く対照的です。３人のときとは変わって鬼怒はいつもの刻みプレイを全開。鬼怒・勝井・芳垣の３人が一体となってリズムを加速させる場面は、"PYRAMID"時のROVOを思い出させるような超迫力です。
休憩を挟んで６はBONDAGE FRUITで過去１度だけ（９８年８月）演奏された曲。そのときはボンフルにしては異色な曲だと思ったものですが、COILには合っているように感じます。早川のファズベースソロが凄い。８は当初"YOUNG"と呼ばれていたそうで、理由は「ニール・ヤングの曲に似ているから」(^_^;)。なるほどアメリカンなフォーク・ロックナンバーです。９はKICKSなどでおなじみの曲。まさかこの曲が聴けるとは思わず、うれしい誤算でしたが、考えてみればKICKSのメンバーが３／５揃っているので別にやっても不思議ではないですね。早川の粘りのあるベースラインがKICKSでの原田のプレイとはかなり趣が異なり、面白く聴けました。中盤の鬼怒・勝井が、刻み続けるリズムをバックに床にしゃがみ込んでエフェクターを操作し、スペイシーな発信音を出し続ける場面はとてもCOILとは思えません(^_^;)。特に勝井のディレイループは効果的。最後は豪快なアメリカンロックの１０で終了。１コーラス目のヴォーカルを鬼怒が、２コーラス目は酒井が取ります。２人の掛け合いギターソロも盛り上がります。最後は鬼怒が暴れ過ぎて、バスドラのマイクスタンドを壊してしまいました(^_^;)。
この時点で計２時間半に迫るほどでしたが、アンコールに応えて５人が登場。ここで鬼怒が衝撃の告知。「今日を持ちまして芳垣さんがCOILを脱退することになりました」これにはさすがに驚きました。最後は芳垣に捧げるということで１１を演奏。鬼怒は前の曲をさらに上回る暴れぶりで、芳垣が飛ばしたスティックを弦に挟んで弾くなど、鬼気せまる演奏。終演後ギターを見たら血が飛び散っていました。鬼怒はあとで新ピの店員さんから絆創膏をもらって親指に貼っていました(^_^;)。
まるでCOILの他にもう１つ別のバンドを見たようなボリュームでしたが、気になるのがCOILの今後。せっかくセカンドアルバムを出したばかりなのに、後任および今後の活動については全く未定だそうです。芳垣というパワーと引き出しの多さを兼ね備えたドラマーは他に類を見ないだけに、後任が見つかるのか心配です。
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