AYUOセッション2001/2/4 江古田BUDDY
AYUO(g,vo)、勝井祐二(vln)、沢田穣治(b)、岡部洋一(perc)、内海イズル(tt)の５人によるライヴです。チラシによると、AYUO、勝井、沢田の３人がダンスの音楽を作り、沢田、岡部、内海の３人がセッション活動を行っていたのが縁で、両者が合体したユニットとして結成されたそうです。
AYUOはシタールのような倍音を加えたアコギとブズーキ、ホイッスルなど笛各種を使用。リードを付けて吹くチャルメラのような音色の笛が面白い。ヴォーカルマイクを２本使用し、１本には内海が操作するカオスパッドがつながれています。内海はターンテーブルというクレジットでしたが、実際はドラムマシンやシーケンサーによるアナログシンセ音をミキサーで加えていました。沢田はエレクトリックベースを使用。主にベーシックなリフを黙々と弾いていましたが、ソロパートではピッチシフターを多用して一転派手な演奏を聴かせます。勝井のヴァイオリンは、AYUOの曲のエキゾチックな雰囲気にベストマッチなジプシー風フレーズや、最近多用しているフィードバック多用のロングディレイを使った空間的な音づくりが目立ちます。岡部は静のパートではトーキングドラム、ラッパ状の筒が６個付いたベル等を使用、動のパートでは内海のドラムマシンと同期して猛然とリズムを叩き出します。また、座っている木箱もパーカッションとして使用。
演奏はAYUOの歌うトラッド曲をモチーフに他の４人が個人技で盛り上げていく展開で、１時間ノンストップ、ＭＣ無し。セッション風なのを予想していましたが、むしろバンドと呼びたいほど集中力のあるアンサンブル。圧巻だった後半３０分ほど続いたインストパートは、エキゾチックなリフと、叩きまくる岡部と内海のエレクトリックビートで加速された超強力なリズムの上で、勝井のヴァイオリンと、AYUOの強烈なフェイズやリングモジュレーション、E-BOW等を使ったギターがソロの応酬を繰り広げる素晴らしい演奏。エスノ化したROVOか、はたまた全盛期のアレアorゴングか？ 聞けばAYUOはゴングが好きだとか。いや参りました。
後半も前半と同様の形式で、ノンストップで１時間強の演奏。AYUOのブズーキ弾き語りの歌に、前半は内海のテクノ風、後半はバンド演奏とそれぞれ違ったタイプのバッキングを付けて聴かせるのが面白い。後半はトランス的な演奏が続いた後、最後に再びAYUOの歌うトラッド曲をフィーチュアし、全員のソロ回しを交えて盛り上がりのうちにエンディング。
AYUOの歌は比較的少な目でしたが、超絶疾走アンビエント・エスニック・ジャズロックと言えそうな音で、素晴らしい内容でした。初物では久々の大当たり。次回はダンサーやＶＪも加え、３月２７日にお台場ラヴジェネで行うとのことです。必見！