RUINS＋灰野敬二2001/8/10 高円寺SHOWBOAT
RUINSと灰野敬二の合体ライヴです。この両者の組み合わせといえば９５年４月、ところも同じSHOWBOATで、来日中止となったジョン・ゾーンの代役で灰野がRUINS（当時のベースは増田隆一）と共演したのを思い出します。この時はほぼ全席立ち見のすし詰め状態で、私はステージが全然見えず、わずかにHARPYのきょうこの顔と暴れたときの灰野の髪の毛だけが見れたという思い出がありますが、今回はその時ほどではないものの、椅子席は全て埋まって後ろ半分の立ち見スペースも人で埋まっています。さすがにこの顔合わせの注目度は高いです。
まずはRUINS単独のセットから。
１．PALLASCHTOM
２．（新曲）
３．（新曲）
４．マハビシュヌ・メドレー
５．（新曲）
６．（シャンカールの曲）
７．GHARAVISS PERRDOH
８．（メシアンの曲）
９．BLIMMGUASS
１０．QUETZALCOATL
５月のライヴのレポで「そろそろ新曲連発のライヴを見たい」と書きましたが、やってくださいました(^_^;)。アルバム収録曲は"PALLASCHTOM"からの３曲のみ、残りは新曲もしくは未発表曲という新鮮味のあるセット。２は昨年９月のライヴの３曲目、３は今年５月のライヴの１曲目で演奏したもの。４は米レーベルからのオファーでマハビシュヌ・オーケストラのトリビュート・アルバムのために作られたもの。ブラック・サバスに続いて、メドレーシリーズはジャンル別からアーティスト別という狭い標的になってきました(^_^;)。続く５はまだ完璧ではないとのことで譜面を見ながらの演奏。佐々木のディレイループとリズムが合わない場面が見られましたが、今後に期待。シャンカールやメシアンのカバー曲も相変わらず充実していますが、これらはアルバム収録される予定はないんでしょうか。７はTZADIKから出た新作"MANDALA 2000"に収録された、９６年の佐々木加入初ライヴでも演奏された曲。時間は約４５分。
休憩後、灰野＋RUINSの合体セット。９５年の時は急な共演ということでRUINSの曲に灰野が演奏を加える形を取りましたが、今回は全てインプロで、比較的短めのセットをアンコール含め計７セットやるという形式になりました。
１．灰野はギターに２本のカポタストを付けて演奏。まるで倉地久美夫のよう(^_^;)。ほぼ全編ノーリズムで全員疾走する演奏。
２．中盤からRUINS組がかっちりとしたリズムを叩き出し、それに灰野がギターパートを乗せる形で進行。
３．吉田の叩き出すリズムを主体に進行。この曲から灰野はカポタストを外して演奏。中盤から灰野がエフェクトを操作し、あの宇宙的な響きのサウンドを出します。さらにヴォイスを加え、ここは灰野の独壇場。
４．小音量のやりとりで始まる、ジャズ色が強い小品。
５．吉田の叩き出す力強いリズムに灰野が咆吼ギターで応じてスタート。終始ハイテンションな演奏が続きます。
６．灰野のヴォイスを皮切りに３人のヴォイスアンサンブルでスタート。その後はフリーキーなアンサンブルに。中盤からゆったりしたリズム進行を中心に間の多い応酬となり、後半は灰野のギターループに３人が演奏を加えていく形で進行。灰野の珍しくメロディのはっきりとしたギタープレイが新鮮。ここで本セット終了。
７．アンコールセット。とにかく疾走感満点のショートトラックで締め。
ノンストップで集中力のある吉田＋灰野デュオの演奏に比べるとテンションはやや落ちますが、いろいろなスタイルを聴かせるバラエティに富んだ演奏となりました。展開を急がず、もうすこしじっくりとした演奏を聴きたかったという声もありました。