RUINS波止場20012001/9/7 吉祥寺STAR PINES CAFE
RUINS（吉田達也ds、佐々木恒b）と想い出波止場（山本精一g、津山篤b）の合体バンド、RUINS波止場の、９４年１２月以来実に７年ぶりのライヴです。ステージ上には前回のライヴでも使用した、バスドラ共用で向かい合わせとなったドラムセットが前面ど真ん中にセットされています。佐々木は全編ギターシンセ装備付きのギターを使用。
１．CLOSE TO THE EDGE (YES)
２．DELAYED SKY (想い出波止場)
３．組曲ワワン
４．？（ラヴソングをテーマにした曲）
５．HYDEROMASTGRONINGEM (RUINS)
（休憩）
６．ヨーロッパ特急 (クラフトワーク)
７．西山氏（観客）参加演奏
８．同時演奏（SEX MACHINE＋太陽と戦慄）
９．同時演奏（太っ腹＋VRRESTO）
１０．クロスフェード
１１．山本の歌に全員で適当に合わせる
１２．楽器持ち替え演奏
１３．IN (想い出波止場)
（アンコール）
１４．？？（山本の指定で全員が演奏）
１はイエスの20分の大曲を練習１回で再現するという無謀な企画。口三味線での「火の鳥」から自然音のイントロから始まり、ほぼスタジオ版のアレンジを完コピ。キーボード抜きというハンデもありますが、なかなか忠実に再現しています。マニア受けするような細かいところなんかは実によく再現できているんですが、全体を合わせるとかなりドシャメシャな演奏で、真面目に演奏しているんでしょうが聴いてて笑えるところがポイント。ヴォーカルは全員が持ち回りでやっていましたがさすがに演奏しながらでは苦しく、演奏後津山が「イエスはヴォーカルを募集しています」とのこと(^_^;)。山本が途中ヴォーカルを取った場面は、歌詞首っ引きで真剣な様子でやっていたのがなおさら面白い。棒読みならぬ「棒歌い」か(^_^;)。
２は"VUOI"収録の、津山のベースハーモニカをフィーチュアした曲。イントロで津山がハーモニカを吹き続けている間、手拍子を要求したり、チャチャ入れしたり、何度もギターのフレーズを入れずに延々引き延ばす山本がお茶目。やっと入ったと思ったらコードを間違える(^_^;)。遂に津山は「汗が口に入った」ということで演奏を中断。その後はテンションの高い４人でのアンサンブルへ移行。山本が帽子をドラムセットに乗せるタイミングでブレイクが入るのが絶妙。
３はRUINS波止場CD収録曲。吉田は７個セットになったウッドブロックとサンプラーを使用。
４は少音数・小音量で始まり、徐々に盛り上がって最後はなぜか「ラ〜ヴ」という気の抜けたコーラスで終わる曲。
５は津山と吉田がドラムを同時演奏。ドラムをはさんで向かい合うと思わず吹き出す２人。山本はなぜか拡声器を使い、演奏中ずっとアジり続けます(^_^;)。
６は９４年のライヴの時はオリジナルに忠実なテクノ的な演奏でしたが、今回は全編生演奏でしかもリズムがまるでドラムンベースのような爆裂疾走もの。コーラスと山本のギターフレーズでなんとかこの曲とわかるほどの変わり具合でした。山本はさっき使った拡声器がよほど気に入ったのか、マイクに向けてハウリングを起こしながら叫びまくります。
７は９４年のライヴでの「観客参加による即興」で一躍名を馳せた西山氏を、山本が再び客席から呼び出しての演奏。バックの抽象的な演奏に対してどう対処したらいいかわからなげな西山氏のリアクションに味があって面白い(^_^;)。
８、９はゲストにMONG HANGのドラマーを加えての演奏。太陽と戦慄はオリジナルヴァージョンにさらに続きが追加されます。太っ腹＋VRRESTOは曲の長さが違うためかなり強引に終わらせていました(^_^;)。山本曰く「想い出波止場はドラマーを募集しています。オーディションは９月２日、あ、終わってるか」(^_^;)。
１０はRUINS組と想い出組がそれぞれの即興をクロスフェード式でつないでいく演奏。山本のハイテクギターが随所で炸裂。ここで山本が１曲飛ばしてしまったようで、続く１１で「すいません、１曲歌います」とまず石狩挽歌をワンフレーズ、次いで「ジョーの子守唄」を歌い出すと津山がすかさず丹下段平の物まねで応戦(^_^;)。ここから即興演奏に展開するという怒濤の展開。山本の吹く縦笛がいい味だしています。山本はしまいにはサザエさんのフレーズまで歌い出すなど暴走気味。しまいには「申し訳ない」と土下座して謝っていました(^_^;)。
１２は山本のドラムソロ（スティック使用！）から始まり、４人が次々に楽器を持ち替えていきます。山本＆佐々木のドラムバトルで互いに相手の領域を侵犯しながら叩き合う場面など、見どころ満載。最後は４人でドラムを乱打して終了。
１３．は水中JOEのラスト近くに入っていた曲。山本のギターリフに主導されたテンションの高い演奏で終了。
１４．は山本がテンポと拍数を指定し、全員がそれに合わせる演奏。ラストでbpm=120、100拍と指定した時に、吉田と山本が一生懸命口でカウントしながら演奏しているのがおかしい。この後再度のアンコールがかかりましたが、演奏はせず４人のカーテンコールで幕。最後はアレアの「７月８月９月」を演奏するかと思ったんですが無かったですね。
「半年前の打ち合わせでは真面目にやるという話のハズだったんだけど」と吉田が言ってましたが、今回も爆笑トホホ路線でした。山本が終始楽しそうだったのが印象的でした。