鬼怒無月＋千野秀一2001/10/12 大泉学園 in F
鬼怒無月(g)と千野秀一(p)の完全インプロ・デュオライヴです。
１セット目、まず鬼怒は１２弦のアコースティックギターを使用。鬼怒が１２弦ギターを使うのは珍しいと思って終演後に聴いてみたらこれはヤドランカに貰ったもので、それまでは持っていなかったんだそうです。カッティングなどで厚みを出すために使用するのが普通の使い方ですが、鬼怒は通常のスチール弦ギターでの演奏のように、音数の多いフレーズを弾きまくります。もちろん１２弦の効用で音の厚みがエフェクターを使用したのとは違った形で加わり、普段とはかなり違った趣の演奏です。また、補助弦の音を出し入れしたり、ハーモニクスを使う場面も。千野はいつものようにピアノの音域を目一杯使った、流れるようなフレーズを繰り広げます。２人とも明快な展開のない、いかようにも展開していけるような演奏を繰り広げます。最初は静かに始まり、時間をかけて徐々に熱を帯びていく形ですが、これを非常に長い時間をかけて展開していきます。やや演奏が落ち着いて鬼怒が６弦ギターに持ち替えようとしたところで演奏終了。ここまで４５分、２人とも完全に時間を忘れて演奏していたようで、「えっ、そんなにやったの？」という反応。ここで休憩。
２セット目は鬼怒は６弦のナイロン弦のアコースティックギターを使用。１セット目とは一転、あまり時間をかけずにすぐに両者トップスピードに入っていきます。両者突っ走った状態での演奏が１０分近く続きます。とにかく凄まじいテンションと猛烈な音数に圧倒されます。鬼怒はこの日はリフの繰り返しも抑え目で、ほぼ全編フリーに弾きまくります。千野のピアノ内部奏法を中心にした落ち着いた展開を挟んで再び猛烈な弾きまくりバトルが続きます。４０分経過時点で鬼怒は１２弦ギターに持ち替え、１セット目の延長戦のような演奏。５０分経過時点で美しく終わりそうな雰囲気でしたが、しばしの沈黙を挟んで再び演奏開始。鬼怒は弾きながら１２弦ギターのチューニングを替えまくり、かなり狂ったチューニング状態でギターを弾きまくります。１時間経過でまた長い沈黙が続き、今度こそ終了。
全・後半とも休憩無しのぶっ続けで、緊張感の高いライヴでした。
ところで、演奏開始直前に年輩の客３人組が入ってきて、一体どうなるかと思っていたら案の定最初の１０分くらいで帰ってしまいました。まぁ良くある事です(^_^;)。