IN CAHOOTS2001/12/8〜9 お台場TRIBUTE TO THE LOVE GENERATION
元HATFIELD & THE NORTH、NATIONAL HEALTHのギタリスト、Phil Millerのリーダーグループ、IN CAHOOTSの1991年以来実に10年ぶりの来日公演です。メンバーは10年前と変わらぬセクステット編成。メンバーと立ち位置は以下の通り。
Fred Baker Pip Pyle Pete Lemer
(b) (ds) (kb)
Phil Miller Jim Dvorak Elton Dean
(g) (tp) (sax)
（客席）
前回と異なっているのは座って演奏していたMillerがずっと立っての演奏で、逆に立っていたDvorakとDeanは終始椅子に座っての演奏だった点。MillerはRoland製のMIDIアタッチメントを付けたストラト１本での演奏。もう１本セミアコのギターがステージに置かれていましたが、これは一度も使用せず。予備だったのでしょうか。Pyleはフロアタム２台を含む４タムを並べ、シンバルも５枚という重量級のセッティング。Lemerはピアノ系とシンセ系の２台のキーボードを使用。DeanはテナーサックスとトレードマークのSaxelloを使用。
（１日目）
１．GREEN & PURPLE EXTRACT（２０分）
２．OPEN SEA（１０分）
３．PHRYGIAN BLUES（１５分）
４．DELTA BORDERLINE（１５分）
（休憩）
５．ARRIVING TWICE（５分）
６．ABOVE & BELOW（１０分）
７．EARLY DAYS（１０分）
８．E.D. OR IAN?（１５分）
９．YOUR √2（１５分）
（アンコール）
１０．HALF LIFE（１５分）
１：CUTTING BOTH WAYS
２，３，４，７：OUT OF BLUE
５：D.S. AL CODA / NATIONAL HEALTH
６：BEFORE A WORD IS SAID / GOWEN MILLER SINCLAIR TOMKINS
８，１０：PARALLEL
９：SPRIT SECONDS
１はMillerのファーストソロ"CUTTING BOTH WAYS"冒頭に収録の、IN CAHOOTSのテーマ曲と言っていい曲。２〜４と、今年リリースされた新作"OUT OF BLUE"収録曲。３はLemerのピアノソロによるイントロと続けての演奏。４はよく聴くと６拍子ですが難しい変拍子に聞こえるリフがユニークな曲。アルバムで聴くとかなり地味に感じた新作の曲ですが、ライヴで聴くとさすがに迫力が感じられます。５はMillerの敬愛する故Alan Gowenの曲で、Alanの追悼作である"D.S. AL CODA"に収録されている曲。MillerとLemerのデュオで演奏されます。Lemerは前半はピアノ音色、後半はストリングシンセによる演奏で、特に後半は"D.S. AL CODA"でのDave Stewartによる演奏を思い出させる素晴らしいもの。またそれに続いてMillerがGowenとともに８１年に製作して、Gowenの生前最後の作品となった"BEFORE A WORD IS SAID"に提供した６が続くという演出が泣かせます。１日目のハイライトはこの２曲でした。思いっきりレイドバックした７に続いて、Millerのギターシンセを大きくフィーチュアした８。本セット最後の９はDeanとPyleの火花を散らすバトルでスタートし、シンセのリフをバックにしたPyleのドラムソロ、そして大迫力のテーマリフへと続きます。Bakerは随所でベースソロを聴かせますがここではファズを効かせたマグマばりの迫力のあるプレイです。アンコールの１０はレゲエ風のリズムを持つ曲。意外な選曲でした。
（２日目）
１．GREEN & PURPLE EXTRACT（２０分）
２．PARALLEL（１０分）
３．UNDERDUB（１０分）
４．OPEN SEA（１０分）
５．SLIME DIVAS（１５分）
（休憩）
６．ARRIVING TWICE（５分）
７．DELTA BORDERLINE（１５分）
８．EARLY DAYS（１０分）
９．E.D. OR IAN（１５分）
１０．YOUR √2（１５分）
（アンコール）
１１．NO MORE MR. NICE GUY（１０分）
１：CUTTING BOTH WAYS
２，９：PARALLEL
３：THE ROTTER'S CLUB / HATFIELD & THE NORTH
４，５，７，８，１１：OUT OF BLUE
６：D.S. AL CODA / NATIONAL HEALTH
２日間で違ったセットリストで演奏するということで期待していたんですが、１日目と変わったのは２，３，５，１１の４曲と一部演奏順が変わった位で、やや期待はずれででした。1991年の来日時には演奏した"CALYX"などをやってくれるのを期待していたんですが。HATFIELDSの曲３は、これも91年の公演で演奏していましたが、今回もLemerのキーボードが大きく貢献していました。ただし、この曲だけはアコピではなくエレピ音色で演奏して欲しかったところです。
１０の前にラブジェネの女性スタッフをステージに呼び上げ、感謝のコメントを述べると共に花束を渡します。この時にLemerがピアノでスティービー・ワンダーの"Isn't She Lovely?"を弾き出すとギターを置いていたMillerを除く全員がこの演奏に加わるという、ほのぼのとした場面も見られました。
全体的なアンサンブルの完成度は相変わらずさすがです。ただし、Millerのギターがヘタレなのも相変わらずですが(^_^;)。まぁこれも作曲面の素晴らしさと、これだけのメンバーを率いて長期間活動を続けるリーダーシップに免じて、あまり責めずにおきましょう。