RUINS＋内橋和久、青木マリ＋PILL2002/2/8 吉祥寺MANDALA-2
組み合わせの面白さが楽しめそうな２組のライヴです。
・RUINS＋内橋和久
RUINSと内橋の共演は９７年８月、中野PLAN-Bでデレク＆ルインズの代打（デレク・ベイリー来日中止に伴うもの）で演奏して以来です。
まず冒頭はRUINSの２人のみで演奏。６曲２５分、２曲目の「パラシュトム」以外は全て新曲、またはアルバム未収録の最近の曲。しばらくRUINSのライヴを見ていませんでしたが、着実に新曲が増えているようです。しかも質の高い曲が多い。中でも最近のライヴでは定番の、シャンカールのカバー曲は今回も異彩を放っていました。
後半４０分は内橋が加わった３人での即興セッション。内橋が提示するリフを中心に、これにRUINSの２人が反応してリズムを加えていく形が基本形。アルタード・ステイツから疾走感を抽出したような短めのセットが続きます。内橋はGodinのギターを使い、珍しく手前にエフェクトセットを置かず、足下に並べたエフェクトのみを使用しての演奏。LINE 6とDIGITECHのピッチペダルを中心に使っていました。即興セットとはいえ、ばしばしコンビネーションを決めてしまうRUINS２人の息の合い方は尋常ではありません。
この日の演奏はA-DATを使って録音しているようでした。リリースは未定とのことですが、期待したいところです。
・青木マリ＋PILL
ギター弾き語りの青木とハードコアドラムのPILLという、水と油ではないかと思われる２人のデュオ。
１．羊
２．雨
３．メロディ
４．神さま
５．ONE BEAT
６．灯
７．小さな光
８．できるから
９．うた
１０．違う！
１１．GOD BLESS YOU
セットリストは終演後、ステージにあったものを書き写しました。飛ばした曲があるかもしれません。
青木はグレッチのセミアコギター１本での弾き語り。これにPILLがドラムを加えますが、ビートを刻むよりも、圧倒的な手数とパワフルな音で空間を埋め尽くすような演奏。凄い迫力ですがこれに負けずに自分の世界を崩さず歌い続ける青木も凄い。２週間前に同所で見たVAJRAのような、両者かみ合わないまま突っ走り続けるような演奏を予想していたのですが、意外に調和を感じさせる演奏となりました。なぜかバランスが良いです。青木の歌は声・詞とも聴き手に媚びることのない力強さを感じさせるものでしたが、特に最後の曲での自分の表現欲求に対する赤裸々な吐露が凄まじい。そこまで歌っちゃっていいものだろうかとも感じましたが、引いたりすることなく素直に聴けてしまうのはこの人のキャラクターならではでしょうか。
両組とも１時間強の演奏。凄いボリュームでした。