PEKKA POHJOLA2002/5/17 吉祥寺STAR PINE'S CAFE
フィンランドのベテランアーティスト、Pekka Pohjolaの９８年４月以来の来日公演です。初来日は９４年だったので、きっちり４年周期で来日していることになりますね。過去２回の来日と同じくメンバーはPekka(b)、Seppo Kantonen(kb)、Markku Kanerva(g)、Anssi Nykanen(ds)の４人。鉄壁のカルテットです。会場規模は前回来日時のON AIR WESTからグレードダウンしましたが、音のクオリティを考えるとこのクラスの会場での公演が個人的には望ましいです。客席はほぼ満員。Seppoはシンセ２台と後ろ向きにセットされたアコピを使用。アコピの上に乗せた音源モジュールも使用していたようです。Anssiのドラムセットはフロア側に２台タムを並べた計３タム体勢。開演前のBGMはなぜかボンデージ・フルーツの６月リリース予定のアルバム"SKIN"。個人的には一足早く音が聴けてラッキーでした。
１．RITA (PEWIT)
２．MELKEIN (PEWIT)
３．WAVES (VIEWS)
４．METROPOLITAN (VIEWS)
５．PEWIT (PEWIT)
６．US (VIEWS)
７．NEW IMPRESSIONIST (URBAN TANGO)
８．HEAVY JAZZ (URBAN TANGO)
（アンコール）
９．SUURI KALLION RITARI (PEWIT)
１０．RISTO (SPACE WALTZ)
前作の"PEWIT"の冒頭２曲１〜２でライヴはスタート。１のエレクトリックピアノのパートはシーケンサーを使用して流し、Seppoはアコピと木管系のシンセの音を手弾きで演奏します。２のイントロ部分でバスドラムのペダルが故障してしまいましたが、他のメンバーがイントロのリフを繰り返している間にAnssiが自分でペダルを直して、何事もなかったように演奏に復帰したところで、客席から拍手が。この曲が終わったところでPekkaがMCで「眠くなった人もいたようだが」確かにこの曲の後半部分はちょっとタルいですが(^_^;)。
３から続くオーケストラ入り編成の"VIEWS"の曲は、４人編成用にアレンジし直されており、アルバム版とはかなり違った趣があります。これだけ編成が違ってもどちらも同じくらい説得力を感じるのは、曲の基本となるメロディとハーモニーが十分に練り上げられ、完成度が高い物になっているからに他なりません。これには唸らされました。５のハープのパートはサンプリング音源でほぼ再現。
Anssiの力の入ったドラムソロを挟んで演奏された７と８は、前２回の来日公演でも演奏された、"URBAN TANGO"収録曲。前回の来日公演で演奏された"CHANGING WATERS"の２曲が外れてこの２曲が残ったことは、PEKKA本人のこのアルバムに対する深い思い入れがあるように感じられます。Pekkaはドラムソロの間に８のためにベースのチューニングを変更しますが、ちょっと狂っていたような気がします(^_^;)。
アンコールの９はSeppo１人がステージに登場して、この日唯一アコピを使ったソロによるイントロ部分を演奏、その後あとの３人が出てきて本編に加わります。そのままメンバーはステージに残って引き続き１０を演奏。この曲も９４年の来日時に演奏した思い出深い曲。その後さらに２度アンコールがかかりますが、演奏は無し。変わりに客席から小さな女の子が小さな花束をPEKKAに渡すという微笑ましい場面が見られ、すっかり客席も和んでしまいました。
本編は休憩を挟まず一気に１時間４０分、アンコールは何やかやで２０分ほど、計２時間の内容の濃いライヴでした。