KNEAD、54-71、JOJO広重2002/7/12 三軒茶屋ヘヴンズドア
３年前に同じヘヴンズドアで灰野＋山本のバトルを企画したソニマージュ・レコードの企画によるライヴ。この顔合わせのためか、３年前と同様出足こそ鈍かったですが、最終的には満員の盛況となりました。
・JOJO広重 (19:10〜19:50)
２年前に高円寺SHOWBOATで見たときと同じく、SGギター１本のみでノイズギター弾き語り。相変わらず重くて救いのない歌詞のヴォーカルと、ディレイで無限増幅されたギターの音の洪水の組み合わせで、独自の世界を繰り広げます。JOJOはヘヴンズドアに出演するのは２０年ぶり位だそうです。「この後出てくるごじゅう....いくつだったっけ、なんぼ聞いても覚えられん、これ面白いですよ」というMCには笑いました。
・54-71 (20:00〜20:40)
そのJOJOに名前を覚えてもらえないバンド。vo、g、b、dsの４人編成。全編英語でラップ風にライムを並べ、歌っていないときには奇妙な動き（ダンス？）を見せるvo、必要最小限の音で曲のアンサンブルを組み上げ、要所で暴走するg、ゴリゴリの硬い音で曲のボトムを支える、終始後ろ向きで演奏するb、スネア・バスドラ・ハイハットの３点のみで、フィルインも全く入れずにタイトなリズムを終始叩き続けるds。それぞれ個性的な４人がレッチリ風のミクスチャーロックを演奏します。なんだか久々にバンドらしいバンドの音を聴いたので、ちょっと新鮮味を感じました。最初の方でやった２曲ほどの、２拍４拍にスネアの音を入れないリズムアレンジは興味深かったです。その後は普通のリズムの曲が続いてちょっと残念。
最後の曲では、このバンドの売り物（？）のvoの鼻水パフォーマンスが遂に登場。マジで客席まで飛んでこないか心配しましたが、演奏終了後挨拶するvoのＴシャツには鼻水がベットリと付いていました。うわー(^_^;)。
・KNEAD (21:00〜22:10)
RUINSと灰野敬二の合体バンド。昨年８月の初ライヴ（まだKNEADという名前は付いていなかった）は手の内のさぐり合いで終わった印象。１２月の実質初ライヴは見逃してしまったのですが、今年になって入りリースされたその時のライヴを音源としたCDを聴いて「これは見に行かないとやばい」と思っていた、待望のライヴ。
灰野はSGギターを使用し、後方にアンプを２台並べて使用。手元のテーブルにはディレイ系のエフェクトが２台重ねて置かれ（多分それぞれのアンプにつながっている）、頻繁にセッティングを変えながら演奏します。とにかく凄まじい音量。灰野の音だけでなく、RUINSの２人もそれに負けじとプレイするため、演奏のディテールが聴き取れないほどの凄まじい音。この凄まじさは最初に書いた３年前の灰野＋山本を思わせるものです。音量だけでなく演奏の集中力も凄まじく、全ての演奏が１０〜２０分に及ぶ長大なもの。おそらくほぼ全編即興だったと思いますが、冒頭のみ佐々木のマイクスタンドに歌詞らしきものが貼られていました。RUINSの２人が叩き出す硬質なリズムに、灰野の轟音ギターが渦を巻くようにして絡みつくバンドアンサンブルは強烈。中盤、灰野がヴォイスで「自爆テロ」を連呼する場面が印象深かったです。計１時間強、凄まじい迫力の演奏。大いに満足しました。