KNEAD2003/6/5 高円寺SHOWBOAT
灰野敬二とRUINSの合体バンド、KNEADのライヴです。このユニットでのワンマンライヴは一昨年12月の吉祥寺MANDALA-2以来。以後２度のライヴは対バンありで２度見ましたが、私がワンマンを見るのは初めてなので、期待大です。
なお、この日はFRACTALレーベルから出る予定だったアナログLPのレコ発ライヴでしたが、この日には間に合わずちょっと残念でした。ちなみにその音源は2001年8月の、まだKNEADという名前が付く前のここでの録音だそうです。
灰野のセットはマーシャルが２台積まれ、まるで壁のようです。これに対抗するかのように佐々木もベースキャビネットを２台並べています。
１．いきなりトップギアで、３人とも飛ばしまくる演奏からスタート。その後も比較的ラウドな音のアンサンブルが続きます。吉田のヘヴィな３拍子リズムを中心にした演奏に入ったところで灰野がヴォーカルを入れます。佐々木はペダルを使って、シンセのフィルターのような効果を入れる場面が目立ちます。１５分ほどで終了しましたが、この後の展開を考えるとこれは予定外だったのかもしれません。
２．吉田のMCを挟んで２セット目に。吉田のヴォイスをフィーチュアした、かなりフリーキーな展開からスタート。少し落ち着いた展開をバックにした灰野のヴォーカルパートを挟むなど、数え切れないほどの展開をへて、灰野がコード進行をディレイでループして提示し、それを軸に吉田のダラブッカをはじめとした３人の演奏が加わる展開に。その後のテンポアップした場面はいつの間にか５拍子になっているリズムパートが面白い。３０分経過時点で、灰野はフルートを演奏。前回２月のKNEADのライヴ、先日の太田恵資とのデュオなどでもフルートを使っていましたが、最近気に入ったのでしょうか。灰野はその後、マイクをスタンドにぶつけてガタガタと音を出したり、タップのような動きで床を踏みならしたりします。吉田も指でスネアドラムを叩いたりと小音量のアンサンブルを展開。その後は再びラウドなギタートリオアンサンブルに戻り、終了。ノンストップ５０分弱の演奏。この間、全く集中力が途切れないのはやはり尋常ではありません。ここで休憩。
３．後半は灰野＆佐々木のアコースティック・ギターデュオに、吉田のダラブッカが入る形でスタート。最近は鬼怒とのアコギデュオをレギュラー化しているように、フルートと並んでアコギも灰野のトレンドの一つですが、ここでは佐々木も弾きまくるタイプの演奏で、吉田のダラブッカによるリズムがアンサンブルのまとめ役として機能しています。途中から吉田がブラシを使ったドラム＆ヴォイスに。その後佐々木もベースに持ち替えますが、灰野はそのままアコギを弾き続け、いつものラウドな音とはちょっと違った趣のアンサンブルが続きます。この場面は新鮮味があって面白かった。２０分経過時点で灰野はエレクトリック・ギターに持ち替え。満を持して大音量のアンサンブルを聴かせます。３０分過ぎからは吉田のカズー、灰野＆佐々木のディレイを使った音の重ね合わせなどをフィーチュア。その後もいつ終わるともしれない演奏が延々続きます。先の展開どころか、どこで終わるのかも全く読めないのが凄い。最後は灰野が吉田になにか声をかけて（終了のタイミングを指示していた？）、しばらく演奏してから終了。これまたノンストップで１時間ほどの演奏。さすがにこれほどのボリュームの演奏を聴かされた後では、アンコールの拍手は起こりませんでした。
とにかく２時間以上にわたって、MCは一箇所のみ、ノンストップの長時間セット２本を含む緊張感の長時間続く演奏でした。やってる方も疲れたでしょうが、見ている方も負けじと疲れました。本当にお疲れさまでした(^_^;)。