ナーナー＋酒井泰三、吉田達也、エミ・エレオノーラ2005/3/1 吉祥寺MANDALA-2
沢田穣治と坂元健吾の両ベーシストによるデュオユニット、ナーナーのライヴです。この日はゲストに酒井泰三(g)、吉田達也(ds)、エミ・エレオノーラ(vo&p)の3人を迎えての演奏です。
前半のセットはゲストを1人ずつ入れた形での演奏。まずは沢田＋坂元のデュオからスタート。沢田は8弦ベース、坂元は5弦ベースを使用。高音のサブ弦の響きを生かした、トレブリーな音で空間系エフェクトによる音作りの沢田、ローＢ弦の重低音を生かしたデッドな音での重低音と、ピッチシフト＆ヴォリュームペダルを使った電子音響的なサウンドの２パターンで攻める坂元と、両者の音のキャラクターの対比が面白い。しばらくしてゲスト1人目の酒井が登場。相変わらずの轟音ギターに加え、この日は吉田＆エミを意識したか、かなりストレンジなヴォイスパフォーマンスも披露。続いて吉田が登場。突っ走るリズムと2本のベースの絡みは、以前にも共演歴があるだけに好バランス。最後はエミが登場。前2人とのトリオに比べるとさすがにぐっと落ち着いた音に。エミはピアノ弾き語りパフォーマンス以外にも、ループディレイを使って自分の声やメロディカの音をループして音を重ねていく場面も見られます。1時間ほどぶっ続けの演奏。ここでいったん休憩。
後半は全員でのセッション。まずは前半同様ベースデュオからスタート。続いて吉田が入って3人での演奏へ。7拍子のリズムに熱がこもってきた所でエミが登場。ここで何とエミは酒井のギターを持って弾きだします。これにはステージ上の他のメンバーからも笑いが。ギターを取られた酒井はピアノに回り、肘打ちなども交えたフリープレイを聴かせます。エミはギターを酒井に譲ったと思ったら、今度は吉田のスティックを奪ってドラムセットへ。追い出された吉田は仕方なく（？）マイクを持ってヴォイスパフォーマンスへ。さらに予備のスティックを持って横からドラムを叩き出します。吉田がドラムに強引に戻ろうとするとエミは叩き足りないのか、横に立ってスネアやハイハットを叩き続けます。その後ようやく所定のポジションに戻って5人での演奏。この場面は予想以上にバランスのいい演奏が聴かれます。50分過ぎくらいでいったんきれいにエンディングが決まってしまい、思わず全員爆笑という場面も。しかしここでは終わらず演奏続行。その後のパートでは吉田とエミのヴォイスバトルが圧巻。ルインズのゲストでエミが入ったくらいしか記憶がありませんが、これだけ両者がハイテンションのバトルを繰り広げる場面はめったにないでしょう。さっきとはうって変わって今度はエミがなかなかエンディングを決めずに演奏を引き延ばし続け、他のメンバーが思わず苦笑という場面も。やっとエンディングが決まったときにはさらに20分が経過していました。ここでようやく演奏終了。その間、主役のベーシスト2人はこうした周囲の大騒ぎとは全く無縁のように、黙々とベースを弾き続けているのでした。うーむ(^_^;)。