聖家族祭り2005/3/11 初台 THE DOORS
一昨年行われた吉田達也、津山篤、河端一の３人によるJAPANESE NEW MUSIC FESTIVALの凱旋ツアー兼、聖家族のセカンドアルバム発売記念ツアーの東京公演です。会場に入ってビックリ、なんと４０席ほどの椅子席が出ています。長丁場の立ち見観戦を覚悟していったのですが、これには助かりました。あいにくの悪天候に平日・早めの開始時間と重なって出足は悪かったですが、最終的にはまずまずの客入りとなりました。
・赤天（津山篤etc、吉田達也etc）
トップバッターは赤天。東京でのライヴはサムラの前座以来か？。着ているジャンパーを使った「ジッパー」のハードコア・ヴァージョンから始まり、「はさみ」「ペットボトル」「カメラ」「大根おろし」とメドレー（？）で演奏。ペットボトルは吉田のパーカッション奏法に加え、津山は大小数個のボトルをつないでパンフルートのようにして吹いて見せます。続いて新曲？ 「傘」を披露。これはジャンプ傘の開く音をコンタクトマイクで拾うもの。津山はリコーダーを演奏。続いて「歯ブラシ」「ワイン」をこれまた立て続けに演奏。「歯ブラシ」はサンプラーによるドラムンベース風リズムと、津山のディレイの効いたベースが特徴的。約１５分ほどでサクッと終了。
・ZOFFY（津山篤vo&g、河端一g&etc）
引き続いて東京でのライヴは昨年の高円寺・円盤以来２度目となるZOFFYの登場。まずは津山の笛&ギターと河端のハーディガーディによる、１３世紀のトルバドールの音を忠実に再現したという演奏からスタート。その後はおなじみの名曲カバーが続きます。河端のブズーキを加えての、クリムゾンの「風に語りて」インクレディブル・ストリングス・バンド風、ツェッペリンの「ミスティ・マウンテン・ホップ」の都々逸風（三味線入りヴァージョンを聴きたかった！）、ファミリーの「グッド・ニュース・バッド・ニュース」４５回転ヴァージョン（演奏後、河端「あんまり速くなってなかったようなような....（笑）」）、あの有名なリフの外し具合がたまらないパープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」（ラストのキメのみ吉田参加）、等々、他にも随所でイエスの「危機」やPFMの「セレブレイション」などの小ネタを挟みつつ、大ネタの数々を惜しげもなく繰り広げます。ラストはビートルズの「ゲット・バック」のハードコア・ヴァージョンで締め。MCでは時事もののライヴドアネタも。「磨崖仏リミテッドの株を45%取得済みです」「もちろん時間外取引でね」「TOBって何の略？ Temerson, Oike & Bermer？」などなど。
・SHRINP WARK（吉田達也vo&ds、河端一g&vo）
今までありそうでなかった吉田と河端のデュオユニット。吉田はサンプラーで電子音のようなアンビエントなバッキングを鳴らし、これに２人の演奏とヴォイスが加わる形。バッキング音の雰囲気や、河端の鋭角的なカッティングを多用するプレイなど、なるほどTHIS HEAT風ではあります。初回にしてなかなかの完成度の高さでした。ここまで１時間１０分ぶっ続けでの演奏で、やっと休憩に。
・ATSUSHINO & AKIKO TSUYAMASON（津山篤g、津山亜希子vo）
昨年、大阪で津山さんに奥様をご紹介していただいたときから「おしどり夫婦トラッドデュオやるで、真面目に」と聞いていたのですが、遂に実現しました。まずは津山のソロ弾き語り（スティールアイ・スパンの曲）からスタート。２曲目から奥様登場。ヴォーカリゼーション風のイントロから、「風の物語」を演奏。奥様の声はちょっとハスキーですがなかなか良く通る美声です。続いてこのユニット名の由来となったリチャード・トンプソンの曲、トラッド曲の「BOTH SIDES OF TWEED」を演奏。最後は吉田のダラブッカ、河端のエレクトリック・シタール（もちろんスタンド付き）を交えた４人で、「朝日の当たる家」（これもオリジナルはトラッド）を演奏。歌詞は浅川マキヴァージョンの日本語詩。期待通りの好内容。津山曰く「（珍しく）事前に３回もリハをやった」と言うだけの事はありました。これは次回以降も期待したいところです。
・聖家族／ACID MOTHERS TEMPLE SWR（河端一g、津山篤b、吉田達也ds&kb）
この両バンド、この３人で楽器構成も同じということでどうするのかと思っていたら、「どっちからやろう（笑）」「両バンドがクロスフェードする感じで（笑）」....やっぱり何も考えてませんでした。というわけでどちらか判別は出来ませんがこの３人で２セット＋アンコール、約１時間の演奏。AMT風のハードドライヴィングなものから、変拍子、（エレピを入れて）ジャズロック風、アコースティックセット、ファンク風、ガンボビートに至るまで、数分単位で場面が次々と変わって飽きさせない多彩な演奏。吉田はドラムセット右手側にセットしたキーボードも使用。河端はギターとエレクトリック・シタールの同時弾きなども見せます。最後はなぜか３人のズビズバ風コーラスで終了。トータル２時間半を大きく回るボリュームたっぷりの１日でした。