FRIFOT + 佐藤允彦2005/4/6 キリスト品川教会
スウェーデンのモダン・トラッド・グループ、FRIFOTの一昨年末以来約１年半ぶりの来日公演です。前回は青山の小さなライヴハウスでの公演で、距離が近くアットホームな感じでしたが、今回は教会という場所もあってかかなり厳粛なムードも感じられました。ここは過去にもライヴ会場として使用されたこともあり、PA設備（ただし持ち込み）も整っていますが、何よりも天井の高さによる残響が素晴らしいです。
セットリストは終演後、ロビーに掲示されていたものを写したもの。カッコ内は曲が収録されているアルバム番号。未は未収録曲。
（第１部）
１．Silder / Roligs - Per Later (3)
２．神父と若い女 (4) / Sparv (未)
３．クゥーラ（牛飼唱法）〜角笛
４．〜もし私が行けたなら (4)
５．ミッケル・ペール / クース・エリク (4)
６．Abba Fader (3)
７．ダンサル・エドヴァルトの夏の歌 (1) / Ollas Per (未)
８．魔法にかけられた妊婦のバラッド (4)
（第２部）
９．農民とキツネ (Plectrum)
１０．ダブルパイプ (4)
１１．Roligs - Per Later II (未)
１２．竹田の子守歌 (未)
１３．ボーフス地方のハッリング (4)
１４．Naktergal (未)
１５．機敏 (1)
２部構成となっていますが、両セットは続けて演奏されました。トータル約８０分。
第１部はFRIFOT３人のみでの演奏。基本的には前回来日時とほぼ同様の内容ですが、残響が効いた音環境と、教会というシチュエーションから前回とはかなり違った趣で楽しめました。今回印象に残ったのは、３人が足でリズムを取る時の１拍目と３拍目にアクセントをおく独特の３拍子のリズムが多用されていたこと。普通のワルツとはかなり違った拍の取り方のため、非常にオリジナリティを感じます。３で使われた角笛や牛飼いヴォイスは、山間部で離れた者同士がコンタクトを取るのに使われたと言うことで「携帯電話を先取りしていた」なんて紹介されていたのが面白かったです。
第２部からはゲストの佐藤允彦(p)を加えた４人での演奏。１０年ほど前に佐藤が聴いたアルバムに収録されていた９を気に入り、ピアノソロにアレンジして自分のアルバムに収録したのが今回の両者の共演のきっかけになったとか。今回はピアノソロからオリジナルのアレンジへとメドレーする形。祖の後はFRIFOTの曲に加わる形。この楽器編成にピアノが合うかちょっと不安だったのですが、予想以上にバランスの取れた印象。これも佐藤の適応能力のなせる業か。特にAleの各種笛によるインプロパートへの音の加え方はさすがです。１１はLenaを除いた３人でのインストナンバー。１２は前回でも演奏していた曲で、Lenaによるスウェーデン語の歌詞が付いています。Aleの柳笛をフィーチュアした１３が本編ラスト。１４〜１５はアンコール。３人のアカペラによる１４から、佐藤を呼び込んでの１５で終了。２度目のアンコールは３人での挨拶のみで演奏は無しでした。