ROVO、DJ JUZU
2005/11/6 恵比寿リキッドルーム
続く２日目。開場前のエントランスでのライヴは当初山本精一ソロが予定されていましたが、急遽前日と同じく勝井ソロに変更。やはり前日の件の影響でしょうか....。ちなみに本編のROVOではいつもと変わりなく演奏していました。この日は当日券も用意されていたということで、１日目のような厳しい状況ではなく、かなり余裕を持って見られる環境。いつもこれぐらいだといいんですが。
・DJ JUZU (18:40〜20:00)
DJ JUZU a.k.a. MOOCHYによるDJセット。ROVOと共演するのはRHYTHM FREAKESの頃以来だとか。随所にエスニック／トライバルな要素を交えながら、ドラムンベースからエレクトロまで幅広く聴かせます。終わり間際にCANの"...AND MORE"をプレイしていたのが面白かった。この曲（とオリジナルの"I WANT MORE"）はなぜかこの手のDJプレイでよく耳にするという印象があります。
・ROVO (20:00〜22:10)
１．KHMARA
２．新曲
３．SINO
４．でっかい新曲（３パート）
５．SUKHNA
（アンコール）
６．CANVAS
益子のドローン風のシンセパッドに導かれて１からスタート。２は前日も演奏したファンク風の曲ですが、冒頭岡部がハンドソニックでメタルパーカッションぽい音を加えていたり、山本の刻みパターンがかなり変わっていたりと、まだ完成形に向けていろいろ試行錯誤している状態のようです。個人的にはこういう時期の演奏が完成形よりも好きだったりするのですが。続いてよほど時間的余裕があるときにしか出来ない超大作の３。この曲を演奏するのは2002年のリキッド以来か。前半のリズムが走るパートは芳垣がブラシを使ったドラム、岡部がガンザを振りながらハンドソニックでタブラやシタール等の音を加える構成。中盤のドローンパートから重いリズムが入ってくる場面では芳垣のスルドによる重低音が効果的。このあたりの場面で山本が小音量で静かなメロディをずっと弾き続けているのがちょっと気になりました。続いて勝井が事前に予告していた「でっかい新曲」へ。この曲は３パートにはっきり分かれていて（ひょっとしたら３曲別という扱いなのかも）、益子のエレピによるバッキング＋ハイハット中心のドラム中心に落ち着いたリズムセクションという組合せのジャズ／フュージョン色の強い１パート目（URMAの路線？）、ぐっとテンポを落としたグルーヴするリズムにレゲエ風のドラムのおかずが入るが入る２パート目、そして勝井の叙情的なメロディを中心にしたアンサンブルがPYRAMID風に徐々にテンポアップしていき、最後に爆発点を迎える３パート目と、トータル４０分にも及ぶもの。３パートに共通しているのが勝井のvlnをはじめとした上物アンサンブルがこれまでには無いようなメロディアスなもので、その映像的な場面転換はPERE-FURUでのプレイを思い起こさせるもの。これはなかなかの新境地ではないかと思います。観客も爆発したのは最後の方だけでしたが、それ以外の場面もじっくりと聞き入っていたようで、好印象のようでした。おそらく次回作はこの曲を中心にしたもの（あるいはこの曲だけ？）になるでしょう。本編最後は初日のアンコール曲５、アンコールは初日のオープニングに戻る６、という構成で終了。芳垣は６の冒頭でビリンバウを使っていました（初日では使っていなかった？）。アンコール仕様ということか、終盤のリフレインが通常より長めに設定されているようでした。
トータル２時間強と、意外に初日とあまり差の大きくない演奏時間でしたが、新曲の出来の見事さに圧倒されました。これもおそらくは今後形を変えて行って完成形になると思われますが、現在時点でも十分魅力的な曲です。果たしてどうなっていくでしょうか。