小川美潮、清水一登、太田恵資
2006/3/30 大泉学園 in F
小川美潮(vo)、清水一登(p,cla)、太田恵資(vln)の３人によるライヴです。昨年11月に同所で行われた小川、清水、れいちの３人によるライヴが素晴らしい内容だったので、今回も期待大です。
清水は店置きのピアノを使用。ノーPAですが蓋を半分開けたセッティングでマイクを使用するあとの２人との音量差はほとんど無し。他にはハーモニカ2個、クラリネット、バスクラリネットを使用。この日は清水は朝からずっと新月のリハーサルだったそうで、2人に遅れて慌ただしく会場入りしていました。小川は持参のコンガ（1個だけ）、バナナ型のシェイカー、店置きのカエル型の鈴を使用。太田はアコースティック＆エレクトリックのヴァイオリンを使用。ハンドドラムは用意していましたが使用せず。
１．前半は全てインプロセット。清水はハーモニカとピアノを併用、小川はスキャットとカエル鈴、太田はアコvlnという組合せでメロディアスにスタートし、清水のピアノの刻みで徐々にリズムが加速していきます。シンプルなコードの繰り返しを軸にした演奏が続きます。その後いったんリズムが止まってピアノ、ディレイを多用したエレクトリックvln、スキャットによるフリーテンポのアンサンブルへ。続いてクラリネット、アコースティックvln、小川の口パーカッション→コンガという組合せへ。最後はピアノ、バナナ型シェイカーを振りながらのスキャット、エレクトリックvlnのピチカートによるベースラインという組合せとなって終了。約30分ノンストップで、非常に質の高いインプロセットでした。
２．バスクラリネットとアコースティックvlnの組合せでジャズっぽい演奏からスタート。これに小川の即興の歌が入りますが、これが何と言うか・・・。題して「あつ子の生誕」(^_^;)。5分くらい。
３．しばらくの間トークタイム。知り合いのミュージシャンをダシに、太ると人間の顔はどう変わるかという考察（？）、バンドマンの地位は非常に低い（ので、この日は小川は女王様状態）という話、などなど。話に飽きてきたところで「じゃあ短いのをもう1曲」と、清水のピアノ２音のみで終了(^_^;)。「短い中にも全てが詰まった演奏でしたね(^_^;)」。気を取り直してもう一度、小川の口ベース、ピアノ、アコースティックvlnという組合せでリズミックな曲を演奏して前半は終了。5分くらい。太田はメガホンで「後半はちゃんとリハした（ホント？）曲をやりますので帰らないでください〜〜」
後半は曲ものばかり６曲を演奏。
４．３月の水
５．Bridges
６．ムーンリバー
７．ターコイズ
８．太田ソロ〜清水ソロ
９．バグミート
（アンコール）
１０．即興（みち子の生涯）
４はジョビンの、５はミルトン・ナシメントの曲。ピアノ、アコvlnの組合せをバックに歌います。この２曲は昨年11月のライヴでもやりましたが、ドラムが無いためきっちり度は減りましたが太田のバッキングでメロディアスに盛り上がる度合いは大幅にアップ。４は直前に清水が譜面を書きましたが、終盤のコードのよれ具合に太田「譜面無くても良かったかも・・・(^_^;)」その後のMCは小川のお題で３人の生まれてから最初の記憶についての話。清水は生まれてから最初に音楽として認識したのがツィゴイネルワイゼンだそうで、当時ピアノを真面目に練習しなかったのを思い出して「ああ、あの時真面目にやってればなあ・・・」これがこの日の清水のテーマフレーズとなってしまいました。６はピアノとエレvlnの組合せ。かなり構成を変えてインプロパートも交えたアレンジ。７は小川がKILLING TIMEとの共演時のために用意している曲。太田「では、私が『あの方』の代わりということで・・・(^_^;)」この３人でのヴァージョンはKILLING TIMEとやったときを上回る素晴らしさ。小川の「今日は太田さんの歌をまだ聴いていない」発言から、８のソロシリーズに突入。両者の新ジェン仕込み（？）の息の合いっぷりはさすが。清水はリトル・リチャードばりに小川のスタンドマイクを借りて歌いますが、曲はやっぱり「イゴールの嘆き」(^_^;)。ラストの９は前回れいちが歌っていたパートを太田がヴァイオリンでカバー。リハの時点では大丈夫かと思いましたが本番はしっかり決めて見せました。エンディングはなぜかマイナー調になってしまい、盛り下がったためメジャー調に直してもう一度やり直し。アンコールは何をやるかさんざん考えたあげく「サビのある即興」に。小川の歌う題して「みち子の生涯」をベースにした演奏。前半のあつ子に続いて一発もののギャグかと思ったら、曲の展開に合わせてなぜか壮大な内容になってしまうのはおかしかったです。
前回に続いて笑いあり、絶品の歌ものあり、強力インプロあり、楽しいトークありと盛り沢山の内容でした。小川＋清水＋αの組合せは今後もF名物としてシリーズ化してほしいところです。