ROVO、NATSUMEN、GOMA+JUNGLE RHYTHM SECTION、SAMM BENNETT
2006/5/14 日比谷野外音楽堂
ROVOの主宰パーティ"MAN DRIVE TRANCE FESTIVAL"、5月の野音公演も今年で４回目。今年はGWから外れての開催となりました。天気予報が悪くて心配されましたが、結局は午前のうちに雨は上がり、適度に涼しい良コンディションとなりました。前売り完売で当日券の出なかった昨年ほどではないですが、今年も広い野音がほぼびっしり埋まる盛況でした。
・SAMM BENNETT (16:00〜16:20）
定刻ピッタリにサムのソロステージが開始。アンビエント風のバックトラックを流しながら、脇に抱えたトーキングドラム（骸骨付き）や首から下げたロートタム（これも骸骨の絵が貼ってある）を叩きながら歌います。トーキングドラムはカバーをかけたり、エルビスのイラスト入りのビニール袋を貼り付けたり、またロートタムはアイリッシュドラムのような太いスティックやシェイカー・ベル等を使って叩いたりと、変化を付けた奏法を見せます。昨日作ったばかりという曲や、"TWIST AND DOUBT"なんてどこかで聴いたことのあるようなタイトルの曲などを交え、全5曲でさくっと終了。ヘンな外国人風キャラのMCもあわせて、なかなか好評のようでした。
・GOMA + JUNGLE RHYTHM SECTION (16:25〜17:20)
ディジリドゥーのGOMAを中心に、椎野恭一(ds)、辻コースケ(perc)、田鹿健太(perc)、さらにダブミックスに内田直之を加えた編成。percはジャンベ・ボンゴの皮物類を中心にしたものと、アゴゴベルやヘビニキ等を中心としたラテンスタイルとキャラをしっかり分けています。GOMAは以前見たときはゴアトランス風の打ち込みをバックにしたものでしたが、生楽器の今回はかなりリズムパターンが多彩となり、好内容となりました。生ダブによる音の飛ばしも効果的。この日のPAはかなり低音が強く、ほぼ全編にわたって重低音が流れ続けるのはしまいにはちょっと辛くなってしまいました(^_^;)。
・NATSUMEN (17:25〜18:10）
噂には聞いていましたが見るのは初めてのバンド。g×2（1人は女子）、b、ds、kb、tp、sax×2の8人編成。変拍子や複雑なキメ、フリー的要素などを随所に交えつつ、高揚感のある演奏を繰り広げます。最近のこの手のバンドには珍しくトランスやテクノの影響が薄めに感じるのが興味深い。音の中心となるのはエフェクターを多用しうねりのある音を得意とするgの1人で、生ピアノ音色を多用するkb（興が乗ってくると、大きなNord Electroを肩に担いだまま弾いてしまうのが面白い）もなかなか効果的。技術的にまだこなれていない部分もありますが、勢いの良さとハイレベルな楽曲に挑む心意気は十分に買えます。最後はgが派手にすっ転んだり、ギターを投げ飛ばしたり、勢い余ってアンプを倒して水をぶっかけるなど、かなり暴走して終了。水をかぶったアンプは大丈夫だったんでしょうか・・・(^_^;)。
・ROVO（18:30〜20:20）
１．LOQUIX
２．REOM
３．SUKHNA
４．でっかい新曲
（アンコール）
５．NA-X
芳垣のセットは左手側にベル類が多数並べられ、ジャンベの代わりにバタドラムが用意されています。岡部は左手側にエレクトロニクス類をセット（アンプの陰で見えませんでしたが、多分WAVE DRUM等を使っていたと思われる）。両者ともスネアの横にセカンドスネア（高めにチューニングにしていた模様）と、細長い鉄板（高良さんがよく使っているもの）をセットしているのが特徴的。
トップスピードに入るまでが早いためか、最近の曲では会場人気の高い１からスタート。２では山本はストラトからセミアコのギターに持ち替えて演奏。キーボードの通低音が無くなった代わりに、動きのあるシンセベースのラインが加わっていたようでした。ジャンベ＆バタドラムのデュオから３へ。この日の演奏はリフを変えるなどかなり定型パターンを崩した形で演奏していたのが面白かったです。そしてこの日のハイライト４。昨年１１月に見た初演時にすでに完成形だったためか、基本的な構成は変わっていませんが、各パートの間にドラムデュオや長いドローンパートを挟んだり、溜める部分に思いっきり時間をかけてメリハリを強調するなど、大幅に時間が拡大し遂に６０分に迫る超大作になってしまいました。第一パートは前半勝井＆山本の会話のようなインタープレイを聴かせ、後半は益子をフィーチュアしたオルガンジャズ風の展開。第二パートなどでは、ドラムの音がダブっぽく飛ばされる場面がありましたが、ステージ上で何か操作しているという感じはなかったので、PA側でやっていたのでしょうか。溜めに溜めただけあってラストの爆発ぶりは物凄い。アンコールはジャンベ＆バタドラムのデュオから入る、久々の５で終了。演奏時間はたっぷりでしたが、途中のセッティング変更がかなりスムーズだったためか、予想外に早く終了しました。