さがゆき・大友良英 SINGS 中村八大
2006/8/25 森下文化センター
昨年発売された"SEE YOU IN A DREAM"の主要メンバー全員参加による東京・名古屋・京都と続くツアーの初日です。メンバーはさがゆき(vo)、大友良英(g,banjo)、渋谷毅(p)、山本精一(g)、近藤達郎(org,harmonica)、栗原昌己(b,mellophone,recorder)、関島岳郎(tuba,recorder)、坂本弘道(cello,musical saw)、高良久美子(vib,perc)、芳垣安洋(ds,perc)。さらに東京公演のみ追加ゲストで津上研太(ss,as)、青木タイセイ(tb,横笛)を加えた総勢１２名によるライヴです。
１〜３：さが、大友、近藤、栗原、関島、坂本、高良、芳垣
１．青空を抱きしめよう
２．黄昏のビギン
３．風に歌おう
４．生きているということは（＋山本）
５．風よつたえて（さが＋渋谷＋津上）
６．上を向いて歩こう（全員）
７．生きるものの歌（全員）
（休憩）
８．遠くへ行きたい（さが＋渋谷）
９．目を閉じて（さが＋渋谷＋青木）
１０．雨の遊園地（さが＋渋谷＋青木＋関島＋近藤＋高良）
１１．宇宙に飛び込め（全員）
１２．恋人中心世界（全員）
１３．いつもの小道で（全員）
１４．太陽と土と水を（全員）
１５．どこかで（全員）
（アンコール）
１６．夢で逢いましょう（全員）
１〜３は昨年１１月のライヴと同様８人編成での演奏。２のリコーダーアンサンブルで関島はグレート・バス・リコーダー（巨大なリコーダー）を使用。３で栗原はメロフォンを使用。坂本のチェロを打楽器化しさらにエフェクト電子化した音がこの日も暴走。４では山本が参加。超スローテンポなリズムに２ギターとチェロによるノイジーなドローンが乗る場面は、まるでGY!BEをバックに歌っているかのようでした。５はさがと渋谷のデュオに津上のソプラノによる演奏が加わります。６は山本とさがのヴォーカルデュオがさっそく聴かれます。後半にはフリー風のインストパートが。前半ラストの７は山本が逆回転エフェクトギターが加わり、アンサンブルの混沌さがさらに大幅アップ。マーチ風のリズムが入り、津上＆青木のホーンを中心にしたアンサンブルが乗る場面はまるでONJOのような音になっていて面白いです。ここで休憩
後半はさが＋渋谷のデュオと、これに青木が加わりじっくり聴かせるセットでスタート。１０は少人数によるなごみアンサンブルで進行。１１はマイルドな大友とシャープな山本のワウギター刻み共演が興味深い。１２はボサノバ風の今聴いても新鮮な名曲。芳垣はスキャットヴォーカルでも活躍（？）。１３はトイポップ風のキュートな音。では大友がコーラスで加わります。どちらも山本、津上らが暴走しだす場面はかなりスリリングな展開になるのが昨年聴いた時とはかなり違っていて面白い。１４は芳垣のジャンベによるイントロから始まり、ヘヴィ＆サイケデリックな曲調とさがのヴォーカリゼーションで混沌とした場面と、メンバーによるコーラスが強いインパクトを与える曲。そこから静かに１５へとつながる流れは昨年同様。芳垣はトランペットを演奏。アンコールはさがと山本のアカペラコーラスで始まり、２人の歌を中心にじっくりと聴かせる構成。昨年は山本欠席のため生で聴けなかったこの曲でしたが、約１年待った甲斐のある素晴らしい歌でした。
山本の参加効果は予想通りでしたが、津上・青木の参加でONJOのカラーも感じさせる音に変わったのはちょっと意外でした。コンセプトの性格上新ネタを加えての継続的な活動は難しいかも知れませんが、これで終わらせるのはちょっと惜しい気がします。