吉田達也・新春叩きっぱなし
2007/1/6 吉祥寺MANDALA-2
2007年の初ライヴは、吉田達也のユニット４組（でも出演者はのべ４名）によるライヴ「新春叩きっぱなし」です。この日はこの会場での吉田関係ライヴにしては異例なほどの客入り。後方の立ち見スペースに人が溢れて椅子席が前に詰めさせられたり、なんと入れなくて帰った客までいたそうです。これはかなり意外でした。昨年、秋葉原グッドマンで是巨人、世界遺産ほか１組という組み合わせでこれまた凄い客入りでしたが、この組み合わせの集客力なんでしょうか？
・RUINS ALONE（19:30〜20:00）
トップバッターは吉田のソロユニット、ルインズ・アローンから。吉田はセカンドスネアを加えたセッティング。まずはサンプラーをバックに高円寺百景の"Becttem Pollt" "Hyderomastgroningem" "Pallaschtom" "Korromda Peimm"からスタート、その後ドラムマシンによるシーケンス生打ち込み＋演奏というスタイルでの演奏へ移行。"Dagdad"からその後は新曲（？）が続きます。高円寺百景の"Rissenddo Rraimb"を思わせるポリリズム・シーケンスをフィーチュアした曲、ソロの曲を思わせる白玉コードにヴォイスが乗る曲、メシアンのカバー曲を思わせる複雑なシーケンスを使った曲など、従来のRUINS ALONEとはかなり違った傾向の曲が続きます。このあたりは従来のガチガチに複雑なアンサンブルを決める路線から、徐々に違った方向性へ移ろうと模索しているのではないかと感じました。終盤は"Kippssidamn" "Ffilhizabmn" "Komnigriss" "DJubatczegromm"とつないで終了。
・吉田達也＋勝井祐二（20:10〜20:30）
様々な形で共演している両者ですが純粋なデュオは初ではないでしょうか。両者のソリッド＆ハイテンションなバトルからスタートし、その後は勝井のショートループを様々に加工して作り上げた音に吉田が疾走リズムを加える場面や、勝井のディレイループアンサンブルに吉田がエフェクトで加工したヴォイスを加る場面、音響ノイズアンサンブル風に展開する場面などが聴かれました。予想よりも幅広いタイプの演奏が聴かれました。
・是巨人（20:40〜21:20）
１．Four Holes In The Sky
２．Doldrums
３．Jackson
４．Arabesque
５．Nervecall
６．Isotope
今回は「ベストオブ是巨人」ということで、久々にファースト収録の１が聴けたり、セカンド収録の２，４を交えた選曲。３へ対する反応が良かったことから、やっぱり昨年のグッドマンの客層と被っていたか？ ３の途中で弦を切ってしまった鬼怒は定形フレーズを弾くのにかなり苦労していました。このあたりは手で覚えてしまっているから弾く弦が変わるとかなり厳しいですね。弦張り替え時のナスノのMCで、年末にノロウィルスにかかって果物しか食べられなくなって以来果物にハマって、特にバナナにはうるさくなったとの事でした。バンドの状態としては今は凪のような状態で、新曲待ちといった感じでしょうか。
・THE WORLD HERITAGE（21:30〜22:10）
演奏前に勝井がさっきのナスノのMCを受けてバナナの話を始め、演奏前にMCが始まってしまうという異例の展開に。バナナは完全食で、特に腐ったやつが良いそうです（山本精一談(^_^;)）。ちなみにラーメンは完全食ではないそうです（そりゃそうだ）。
１．勝井のディレイピチカートから静かに立ち上がり、その後３拍子系のリズムを軸に展開。このバンドでは変拍子は割りと控えめで３拍子系のリズムを多用することが多いように感じますが、狙いでしょうか。
２．鬼怒のクセのある刻みリフをナスノが引き継ぎ、それを軸に展開していく演奏。演奏後のMCで正月らしくお年玉の話題に。この歳になるまでお年玉を一度もあげたことのないという人、功徳を積むため積極的にあげるという人、それを聞いて「うちに来て（子供にあげて）」とお願いする人など、人それぞれです。
３．吉田のフロアタムを使ったゆったりとした３拍子リズムに勝井がロングトーンのループなどを加えていく形で展開。これで本編は終了。アンコール時に呼び出しMCを任されたナスノでしたが、鬼怒を呼び出すといきなり勝井が出てきて場内爆笑。
４．アンコールセットは全員疾走から始まって早めに展開していくショートセット。このバンドではあまりエンドレスに展開せず比較的コンパクトで、エンディングもきれいにまとめるのがコンセプトとしてあるようです。
個々の組み合わせはそれなりに質が高かったですが、欲を言うならもうそろそろ新しい展開が欲しい所かな、と思ったりもしました。