内橋和久ソロ
2007/10/27 新宿PIT-INN
この日の夜から行われるアルタード・ステイツの3DAYSにさきがけて、昼の部で行われた内橋和久のソロライヴです。フルセットのソロを見るのは2000年以来久々です。
内橋はGodinのギター１本を使用。テーブル上にエレクトロ・ハーモニクスのディレイ、ギガディレイ、ループステーション、WHAMMYピッチペダル、リバーブ等を並べます。これらは演奏中に頻繁にセッティングを操作することを想定したもの。足元は逆にシンプルでファズとヴォリュームペダル位。アンプは後方の１台のみ。
１．エレハのディレイ操作による、エレクトロニカ的なアンサンブルからスタート。使っているアンプは１台だけですが、各ループ音にステレオ的な広がりと遠近感が感じられるのが面白いところです。また、リバースループやヴォリュームペダルを使ってのアタックを殺したカッティングをリズミックに重ねるアンサンブルも面白い。後半はドローン音を残して叙情的なフレーズを重ねていきます。
２．Godin独特のサスティーンを加えた、不思議な和声感のギターを中心にスタートし、その後は多重アンサンブルからファズトーンを重ねてうねりを生み出していきます。後半は断続的なカッティングをディレイで重ねていく形に。
３．ロングトーンを残して、これをピッチペダルのつまみを手動で変化させて、電子的な音響を作り出します。後半はギターのボディを叩いた音を加工してリズミックな展開へ。前半はここで終了。トータル約４０分。
４．後半は弦をミュートデバイスで挟んでバンジョーのような音にし、テクニカルかつとぼけたフレーズを繰り出してスタート。その後はロングトーンのドローンやパーカッシヴなカッティングなどを挟み、後半は電子音的なループに３拍子のアルペジオを加える形で展開。約２５分。
５．ロングディレイを使った追っかけ二重奏を中心に展開。高速の電子音ループから生ギター中心の演奏に。約１０分。
６．ミュートデバイスをブリッジ付近に移し、アタックの効いた音色で３拍子系のカッティングを中心にした演奏。ここでこれまでとは違ったタイプの演奏を持ってくるあたりはさすがです。これで本セットは終了。５分強。
７．アンコールセット。内橋は椅子から立ち上がり、エレクトロニカ的な音からボディを叩いた音に深いリバーブをかけた音を中心に、ドローン的な音空間を作成。最後はギターも置いて、エフェクターの操作のみでフェードアウトし終了。約５分。
久々にフルセットでソロを堪能しました。独自の世界観と表現力の多彩さは相変わらず素晴らしい。3DAYS前の景気づけとしては文句無しでした。