ROVO、GOTH TRAD
2007/11/24 恵比寿リキッドルーム
ROVOの10月から行われた2007年ツアーの最終日、東京公演です（この日だけ日が放れていますが）。今回のツアーは次のアルバム製作へ向けて新曲群をブラッシュアップしていくのが目的と見られるだけに、新しもの好きとしては要注目です。
・GOTH TRAD＋MUROCHIN (18:30〜19:30)
WRENCHのドラマー、MUROCHINを迎えたGOTH TRADのセットからスタート。サブステージでの演奏で、GOTH TRADはスタンド据え付けのミキサーとノートPC（？）を使用し、ほぼ全部電子音での上物を担当。重いグルーヴのリズムを中心に次々と展開を変えていく演奏。全身を震わす大音量の重低音がかなり凄い。ドラムパートが打ち込みだったらまた違った印象を受けるのでしょうが、個人的にはちょっと重すぎるかなあと感じました。
・ROVO (19:30〜21:45）
１．SPICA
２．SUKHNA
３．新曲（ファンクギター主導の曲）
４．新曲（エレピのリフ主導の曲）
５．新曲（CONDOR風の曲）
６．新曲（７拍子の曲）
７．新曲（高速レゲエ〜アフロファンクの曲）
（アンコール）
８．NA-X
９．極星
芳垣は最近よく使っている文字入りバスドラムのセットを使用。これに右手側にセカンドスネア、左手側にティンバウを加えたセット。また、パーカッションデュオの場面ではトーキングドラムを肩から下げて使用。岡部は左手側にセカンドスネアとジャンベをセット。右手側はアンプの陰で見えなかったですがおそらくジュンジュンとヘピニキを用意していたと思われます。山本は２度目のアンコールでセミアコを使った以外はいつもの黒ストラトを使用。この日はピッチシフターを使って変調のかかった電子音のようにした音色でのプレイが多めでした。
おなじみの１，２と続けてまず盛り上げてからは、新曲５連発へ突入。３は山本のファンクな刻みギターで始まり、後半はギターの細かいリフとヴァイオリンのメロディ中心に展開する曲。４〜６は３曲メドレー形式で演奏。４は益子のフェンダーローズぽいエレピのリフで始まる曲。これは昨年７月のアルゼンチン音響派とのセッションで演奏された曲。中盤以降に出てくる勝井のテーマフレーズがちょっと変えられているように感じました。後半は原田のディジリドゥーと岡部＆芳垣のパーカッションを中心にしたパートに移行する形に。山本のリバースギターを中心にした短いインタールードを挟んで、５は私は初めて聞く曲で"CONDOR"の短縮ヴァージョンという感じの曲。芳垣のブラシと岡部のジャンベによる比較的落ち着いたリズムに勝井のメロディアスなテーマが乗る前半は"AIRES"、勝井のテーマフレーズがギターのコード付けによって表情が変わっていきながらリズムが盛り上がっていく後半は"LAND"の要素を感じさせます。続いて６は"LOQUIX"を７拍子化したような曲。終盤で６拍子化する場面はちょっと"SUKHNA"ぽくポリリズム化します。ここでちょっとブレイクを挟んでここ最近のライヴでエンディング定番化している７へ。この曲で使われているテーマフレーズは、勝井の映画"PU"のサウンドトラック"Paku Chon-2"で出てきたものを使用しています。この５曲でほぼCD１枚分なので、次回アルバムはこれでほぼ決定でしょうか。ここで本編は終了。アンコールは岡部＆芳垣の気合いの入ったパーカッション＆ドラムデュオから移行する形。ここまでは予定通りだったようですが、さらにもう１曲追加のアンコールが。それまでの進行が非常にスムーズだった恩恵でしょうか。結局２時間１５分という最近では珍しいロングセットとなりました。
現時点での総決算という感じのライヴでした。新曲群は今回の時点でかなり完成度が上がっている感じでしたが、前回聞いたときから細かく変わっている部分が多く、アルバム製作までにまだ変化していくのではないでしょうか。