KILLING TIME
2007/12/28 渋谷Jz BRAT
KILLING TIMEの「年忘れスペシャルライヴ」と題されたライヴです。この日のメンバーはレギュラーより青山純と斎藤ネコが欠席、代わってゲストにオイラー小林(ds,psec)、仙波清彦(ds)、越川歩(vln)、高橋香織(e-vln)、小川美潮(vo)、福岡ユタカ(vo)、村田陽一(tb)が参加。このメンバーは「今年KTのライヴに参加したゲストを全員集める」という趣旨に基づいたそうで、ホッピー神山にも声をかけていたそうです。
板倉はいつものMIDI付きストラトとヤマハのサイレントギターを使用。メッケンは５弦ベースを使用。これは珍しい？ 清水は店置きのKAWAIのグランドピアノとシンセ１台、そして木琴の鍵を１個だけ取りだしたものを用意。バスクラは使用せず。MA*TOはコルグのシンセとタブラ。WHACHOはこれもおなじみのテーブルいっぱいに広げたガラクタ類、棒形のエレクトリックパッド、そしてジャンベ２本を使用。この日はいつも多用しているコンガの代わりにこのジャンベをスティックを使って鳴らす場面が目立ちました。ドラムセットは仙波が12月の三橋美香子のライヴで使っていたものとほぼ同じだったようなので、仙波のものか。ゲスト勢では高橋は５弦のエレクトリックを、ステージ上に置いた小型アンプで鳴らして使用。一方越川は小型マイクでアコースティックヴァイオリンの音を広い、ステージでは鳴らさずにPAから直に音を出します。福岡はカオスパッドを使用。
１．Blivitz
２．Sanfona
３．セブムチョセ
４．ゆっくりさん
５．Song For Food（＋小川、−高橋）
６．ブンガワン・ソロ（＋小川、−高橋）
７．ターコイズ（＋小川）
８．Salon（＋小川）
（休憩）
９．奴隷の恩返し
１０．8687
１１．Following Evening
１２．Wish
１３．Ebrio（＋福岡、村田）
１４．Peru（＋福岡）
１５．Bob
（アンコール）
１６．タスマニア（＋村田、福岡）
１７．日没
前半は小林がds、高橋がvlnに入った７人編成を中心に演奏。最近のライヴではBobとのメドレーで終盤に演奏されることが多い１を、この日は単独で最初に演奏。ジスモンチの曲２ではメッケンの５弦ベースの重低音が非常に効いています（この時に５弦を使ってると初めて気づいた）。４はシンセの通低音を軸にしたちょっと長めのインプロが最初に付加されます。途中かなりテンポアップした演奏になったため、この曲じゃなく別の曲に行くのかと思ってしまいました。５〜８はゲストの小川を迎えての演奏。５はWHACHOのパンフルートで先導される形でスタート。歌詞は前回とは大幅に変わっていました（今回のテーマはぶり大根とパスタ？）。後半は清水のシンセと小林のバトルへ展開。６はWHACHOのジャンベと小林のドラムによるリズムとゆったりとしたヴォーカルのラインとの対比が面白い。７はここから戻った高橋の、ヴォーカルに寄り添うようなメロディラインが秀逸。この会場は毎回そのアーティストにちなんだドリンクを用意しているとかで、この日はこの曲をイメージしたものでした。前半ラストは８で賑やかに終了。
後半は仙波がドラムセットに座り、小林はWHACHOの奥側にセットされていたエレクトリックパッドを使用。詳細は不明ですがアナログなつまみの多数付いたヴィンテージ物だった模様。また、越川が入って２ヴァイオリンという編成での演奏となります。９人編成という大編成。ヴァイオリンが２人になったことで、主旋律のユニゾンやハモリ、オクターブ重ねなど様々な形でアンサンブルを厚くしていきます。音色的にも前に出てくる高橋と奥まった定位で広がりのある越川というバランスは良好。仙波のドラムは前回のJIROKICHIのライヴを見逃したので見るのは初めてですが、青山とはかなり違ったアプローチが随所で見られて聞き慣れた曲もかなり新鮮に感じられました。特に１２や１３などでボサノバぽくなる場面ではかなり強烈なラテンビートを繰り出します。前半、小川用に用意されていたマイクは板倉のところに移され、最初はMCをやっていましたが普段やらないせいか調子が狂っていたようでした(^_^;)。１２では清水が１鍵だけ用意した木琴を使って最初の一音だけこれを使って鳴らします。何もそこまでやらんでもというアクション付き(^_^;)。１３は前回目黒BAJと同様に福岡、村田を迎えた編成で、この曲とアンコールの１６はこの日最大の１１人編成。前回ちょっと曲を把握し切れていなかった（？）村田ですが、２度目のこの日はテーマ部、ソロ共にばっちり聞かせます。福岡はエフェクトを多用した音色で村田をフォローするようなバッキング的な音を加えます。１４では前回も話題に出た多重アカペラ版の話題へ。この曲とEBRIOをヴォイスのみで録音したそうで、来年にはリリースされるとか。WHACHO「BOBもやってよ」できるかい(^_^;)。聞いてみたいですが....。最後はBOBで締め。アンコールは村田・福岡の入った編成で清水の曲１６を演奏。テーマ部でヴァイオリンの主旋律に村田がハモる場面はかなり新鮮。引き続いて１７を演奏。この曲の中間部で２ヴァイオリンによるインプロ場面が出てきましたが、これが素晴らしい。２人とも互いの音にしっかりと反応し、アドリブとは思えない美しいアンサンブルを聴かせます。こういう場面が本編でもっと聞かれたらさらに嬉しかったんですが....。まあこれは今後に期待したいところです。
今年は３月のライヴ復活以降、ほぼ月１ペースでライヴを行ってきましたが、板倉的にはかなり手応えを感じたようでした。来年も引き続き精力的にライヴをやっていく予定で、「来年には新曲も....」というコメントにさらに期待を抱かせましたが、「でもまだ曲出来ていない....」やっぱり(^_^;)。