エレキサミットと並んで２年連続となり、早くも年始恒例となりつつある叩きっぱなし企画です。今回はゲストに鬼怒無月(g)、大友良英(g)、巻上公一(vo,telemin)の３人を迎え、デュオ×３と全員セッションの計４セットを行うという内容。
吉田は２タム１フロアのセットにこの日は低チューニングのセカンドスネアを追加。また、右手側にサンプラーとドラムマシン（？）をセット。ヴォーカル用のマイクはサンプラーにつながっており、ヴォイスやシンバル、タムなどの音も拾って加工して流したりします。鬼怒はストラトにBlues Driver、Giga Delay、ヴォリューム＆ワウペダル、ファズ（メーカ等不明）などを使用。大友はギブソンのセミアコにオーバードライブ、Metal Zone、ショートディレイ、ヴォリューム＆ワウペダル等を使用。ボトルネックやE-BOWなども使用。巻上はスタンドにセットしたテルミン（ムーグ・ミュージックのもの？）を足元のZOOMのG2.1u（ペダル付きエフェクター）につないで使用。
・鬼怒＋吉田（19:30〜20:00）
まずは年齢順(^_^;)ということで鬼怒とのデュオからスタート。是巨人等さまざまな形態で共演している両者ですが、デュオは非常に珍しい（おそらく初？）。演奏はスピーディかつ多様に展開する派手めの演奏。１５分と１０分弱の２セットの演奏でしたが、前半ラストの５拍子のリズムで純プログレ的に展開する場面、後半の３連ブルース風の演奏に乗せて吉田が歌う場面、鬼怒が低音弦４度重ねファズトーンでメタリーなリフを入れる場面（昔スタインバーガーを使っている時にはよく聞かれたが、ストラトに変えてからはほとんどやっていないので新鮮）などが特に印象に残りました。
・大友＋吉田（20:10〜20:30）
演奏前に吉田のマレットが時空の歪みに消えてしまい(^_^;)、ちょっともたついてから演奏開始。ここでは短めの４セットを演奏。展開の速い鬼怒とのデュオとは対照的に、いずれもじっくりとした展開。1.大友のU字金具を使った金属的なノイズを中心にした疾走ショートセット 2.大友のショートディレイによる刻みを起点に重い７拍子のリズムで進行するヘヴィな音のセット 3.サントラの諸作を思わせる大友のシンプルなメロディを中心にスケール大きく展開していくセット 4.吉田のサンプラーの音で始まるトリッキーな短いセット。大友のフレーズにかつてGROUND ZEROでカバーしたMASSACREの"BONES"のフレーズがちょっとだけ出てきたのが面白かった。
・巻上＋吉田（20:40〜21:55）
ステージ中央に位置していた巻上ですが、デュオの間だけちょっと下がって吉田の方をうかがえる位置に変更。こちらはさらに短い４セット。1.２人の高速ヴォイスバトルから疾走するショートセット 2.巻上のテルミン＆ヴォイスに吉田のドラムが加わるセット。テルミンの手の動きと音の同期具合が見た目的に非常に楽しい 3.両者の低音ヴォイスに吉田のタムやサンプラーのタブラの音などが加わる民俗ぽいセット。後半、吉田がドラムマシンを使って電子音のループを入れるのが面白い 4.巻上のテルミンに足元のエフェクターによるリングモジュレーションのような効果を加えた派手な音を中心にしたセット。
・全員（21:10〜21:40）
４人でのセッションの予定でしたが、吉田の「ゲスト同士のデュオもちょっとだけ見たい」という要望で順列組み合わせの３セットから行うことに。
1.鬼怒＋大友＋吉田 鬼怒と大友は2001年にin Fで共演して以来、その前は六ピのボンフルに大友がゲスト参加した時あたりまで遡るというから実にレアな組み合わせ（実は2004年に新ピのWAREHOUSEのライヴに大友がゲストで入った事がある）。演奏は両者のギターバトルを中心に、予想以上にヘヴィ＆ブルージーな演奏へ。これはもっと長い時間見たい演奏。
2.巻上＋大友＋吉田 大友のざっくりと刻むリズムを軸に巻上のヴォイスとテルミンがフリーキーに絡む展開。
3.巻上＋鬼怒＋吉田 上記セットとは対照的に、鬼怒のトリッキーなフレーズが次々に展開していく形。
4.全員 最後は４人でのセッション。ここで目立ったのは巻上のテルミンをピッチシフトで下げて重低音化した音。この応用力はさすが。これにより非常にバランスの良いアンサンブルとなりました。
5.アンコール（全員） 全員疾走の超高速ハードコアセット。凄いハイテンションで１分かからずに終了。
追加アンコールがかかりましたが吉田が出てきて「もう疲れたので」と挨拶だけで終了。さらにこの日が吉田の誕生日ということで、大友が観客にバースデーソングを要求。しかし歌い終わるのを待たずに早々に退場。振りっぱなしかよ(^_^;)。そのまた後に吉田がもらったケーキを手に再登場し、ろうそくを吹き消す場面もありましたが、なぜかステージの端っこでやってすぐ退散。何という中途半端な(^_^;)。