MUMU、鬼怒無月+ナスノミツル+吉田達也

2008/2/17 吉祥寺MANDALA-2

MUMUのファーストアルバム"2005"発売記念ライヴです。対バンは是巨人のメンバーでインプロをやるという通称「即興巨人」。さらに両バンドの合体セッションも予定されているということで期待大のライヴです。

ステージは右サイドが是巨人組、左サイドがMUMU組に分かれたセッティング。右端から鬼怒は水色のストラト、エフェクターはBLUES DRIVER、GIGA DELAY、V-WAH、VOLペダル等(フェイザーらしきものもあったが未確認)。吉田は2タム1フロアのセットにセカンドスネアとしてこの日はローチューニングのものを追加。ナスノは一昨日のライヴと同じくファズ、ベースシンセ、VOLペダルという構成。トロンボーンの中根はコンタクトマイクで音を拾い、すぐ横の小型モニタースピーカーに入れていた模様。植村は2タム1フロアで2バスペダルを使用。坂元はシンセ1台と左手側に音源モジュール、足元はヴォリュームとペダル2つのみという例によってシンプルな構成。

・鬼怒+ナスノ+吉田(19:30〜20:20)

是巨人の3人で「たまにはしんどくないことをやろう」ということでインプロをやるという企画。この日のテーマは「イエス+ポリリズム+パンク+若干のブラックミュージック」ということでしたが、実際の演奏にはあまりテーマが反映されていなかったような気が(^_^;)。この日は全員にヴォーカル用のマイクが立てられており、吉田以外の2人もヴォーカルを入れる場面が目立ちました(これがイエス?)。3セットトータル50分の持ち時間でしたが、1セット目終わったところでナスノが「これ楽しいわ〜」普段の是巨人は楽しくないとでも(^_^;)。この日の演奏はいつものように録音されていたのですが、「(今堀+吉田のように)これを編集して是巨人の新譜を作ったら?」「俺はいいよ、簡単な事しかやってないし(笑)」それはともかく、今後の曲づくりのヒントになりそうな場面も随所に見られるなかなか質の高い演奏ではありました。

ナスノが鬼怒に「最近ジャンプしなくなったね」と言われていましたが、その後の演奏で天井の低い梁を気にしながらではありますが、久々に「鬼怒ジャンプ」が見られました(^_^;)。

・MUMU(20:30〜21:20)

1.2005年#1
2.2008年#2(鼠と植村)
3.2008年#1
4.2007年#12(女子高生と中年男)
5.2006年#12

レコ発ライヴなのにCDの曲を1曲もやらないという、販促を全く考えていないセット(^_^;)。まあ録音されたのが3年ほど前のため古いレパートリーばかりということもありますが。1は昨年11月に見た鬼怒が入ったライヴの1曲目でやった曲。鬼怒入りの演奏を見た際最初と最後に出てくる超高速の連譜はどうやるんだろうと思っていましたが、トロンボーンで普通にやってしまっていたのにはさすがにびびりました(^_^;)。2〜3は毎月出来る新曲のここ3カ月分を続けて演奏。2は植村宅にネズミが入ってきた時の模様を音楽化したものだとか(^_^;)。この解説MC中にすかさず地味にミッキーマウスマーチを入れる坂元はさすが(^_^;)。3はPON時代を思い出させるような目まぐるしい展開のテーマ部が面白い。4はちょっととぼけたアンサンブルと、アクセントと音の抜き方で凄く複雑に聞こえるリズム(坂元のオルガンの刻みで実は4拍子とわかる)が面白い曲。最後の5は植村の力の入ったドラムソロをフィーチュア。一番盛り上がったところでスティックを落としてしまったのはご愛嬌(^_^;)。

・全員での演奏(21:30〜22:10)

1.ARABESQUE(是巨人の曲)
2.LEBANNON(同上)
3.BLACK PAGE #2(フランク・ザッパの曲)
(アンコール)
4.MUMUの曲+インプロ

まずは全員で是巨人の2曲を演奏。吉田と植村のツインドラムはおそらく初めてだと思いますが(植村がドラム、吉田がヴォーカル&キーボード)という形で共演歴はあり)、予想以上の素晴らしさ。音量はもちろんですが、両者とも手数が多くかつ定型パターンを崩しまくるので、真ん中の位置で聞くとステレオ感も相まってまさに音の洪水状態。また、坂元のオルガンの音が白玉ぽく入ったり、中根にソロを任せた中間部では鬼怒が刻みに回るという通常編成とは違った展開も数多く見れて、新鮮味満点です。さらに先日のマイク・ケネリー来日公演で鬼怒とナスノが参加して演奏した3へ。何でもケネリーのカウント出しが異常に速く、納得いく演奏にならなかったのでそのリベンジの意味も含めた演奏だとか。確かにその時と比べてちょっと遅めのテンポでしたが、それでも高速変連譜ユニゾンの場面は物凄い。しかもツインドラムでよく合わせられるもんだと感心するしかないです。後半のソロパートでは中根のバックでは吉田の、鬼怒のバックでは植村の1ドラムと編成を変えて聞かせます。ちなみにこの日演奏したアレンジは"ZAPPA IN NEW YORK"収録バージョンのものだそうで、「演奏が始まる前のザッパのMCまで完コピしようと思っていたけど忘れた(^_^;)」そうです。アンコールは用意していなかったようで、急遽MUMUの3人が曲を演奏し、それに是巨人組がインプロで合わせるという実験的なセットを演奏。是巨人組は全員曲を知らずにやるということでさすがに最初は手さぐりでしたが、後半徐々にポリリズミックな曲として完成度が上がっていくのが面白かったです。

3セットとも見どころ十分で、非常にお得感のあるライヴでした。ところで「今月ナスノの出るライヴを5回見たら一緒にお茶できる権利」の決行は、アルタードのライヴがある2/19の午後5時に新ピ前にナスノのフライヤーを持って集合とのことです。「誰も来ないといやだから、今日だけしか来てない人でもいいから来てよ〜」急に弱気になってますが、果たして来るんでしょうか(^_^;)。


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