ROVO、toe、OKI DUB AINU BAND

2008/5/5 日比谷野外音楽堂

ROVO主催のゴールデンウィーク恒例の野音ライヴ"MAN DRIVE SPECIAL"も2003年の第1回から数えてついに5回目。今年は初めてあいにくの雨模様となりましたが、小雨がぱらつく程度に止まったのは幸いでした。もちろん今年もチケットは完売。

・OKI DUB AINU BAND (16:00〜16:45)
 OKI(vo,トンコリ)、居壁太(vo,トンコリ,perc)、Hirohisa(b)、沼澤尚(ds)、内田直之(mix)

アイヌの5弦の弦楽器、トンコリを演奏する2人を中心に、リズムセクションとダブミックスという編成で聴かせるバンド。トンコリはフレットがないため基本的に5音しか出ませんが、フレットのようなものを追加するなどして音数を増やしたり、双方2台ずつ用意して(おそらく違ったチューニングにしてある)曲によって持ち替えたりします。それでもやはりシンプルなフレージングが中心となる2台のトンコリのアンサンブルを軸に、リズムセクションとダブミックスが変化を付けていく形が中心となります。素朴ながらなかなか良い音です。自分も元道民なので、ぜひ頑張って欲しいバンドです。

・toe (17:00〜17:50)
山嵜廣和g、美濃隆章g、山根さとしb、柏倉隆史ds(+kb奏者)

初見のバンド。メンバーは4名のようですがもう1人kb奏者が参加。サポートか? 冒頭2曲はアコギ2台のアンサンブルを中心にした曲。続く2曲はアコギ&エレクトリックの組み合わせで、うち1曲はアコギ奏者がヴォーカルを取る曲。その後は2エレクトリックギターによるインスト曲が続きます。曲は新しさや過激さはありませんが演奏は非常に安定しています。昨年の野音に出たSPECIAL OTHERSなんかを見てても感じたんですが、最近はこういう普通の兄ちゃんが普通な感じの良い曲を演奏するバンドがトレンドなんでしょうか(ちょっと年寄り風な発言)。いろいろな方向性を聴かせますが個人的には前半のアコギを中心にした曲の方が、後半のありがちなポストロック風の曲よりも好感が持てました。

・ROVO (18:00〜19:50)

1.VITAMIN
2.HAOMA
3.(ファンクな曲)
4.(7拍子の曲)
5.(CONDOR風の曲)
6.(SINOのリアレンジ版?)
7.SUKHNA
(アンコール)
8.SEER 〜 REOM

山本は本編はずっと黒ストラト、アンコールではセミアコを使用。芳垣は「〜風狂」とバスドラに書かれたドラムセットに、円柱型のパーカッションとタンバリンを追加。パーカッションデュオ場面ではジャンベの代わりにこれを使用。岡部はトラップドラムのセット左手側にセカンドスネア、右手側にジュンジュン(2の中間部で使用)、セット奥側にジャンベ(他にもあったかも知れないが未確認)を。

1,2に続いて3〜5は6月リリース予定の新作"NUOU"に収録されると思われる新曲群を演奏。曲名はもう出ていますがどれがその曲かは発売されるまでのお楽しみ(これがあれかな、というのは一部ありますが)。5は昨年11月のライヴで聴いた時に比べ、勝井の弾くフレーズが基本フレーズに加えそれとハモるようなラインを弾いていましたが、アルバムでは重ねたりしてるのかな、なんて考えたりしながら聴いてました。この曲の冒頭で客席から手拍子が起こったのには驚きました。多分ROVO史上初? しかしまあROVOに手拍子って似合わないにも程があるというか、何というか....(^_^;)。6は山本の3拍子のギターリフ(時々1音減って5拍子になったりする。ここでも手拍子が(^_^;))に岡部&芳垣の複合的なハイハットの刻みがからんで徐々に加速していき、続いて3拍子リズムが徐々に4拍子に変容していく、と書くと確かにSINOなんですが、受ける印象は大幅に変わっています(というか全くの新曲扱いなのかも)。後半はやはりSINOの最後に出てくる場面に大幅ワープし、さらにこのパートをかなり長めに展開していきます。15分ぐらいでしたが、SINOをライヴでそのままやるのにはちょっと長すぎ&途中の展開がやや重すぎるので、新アレンジにしたのではないかと推測するのですがどうでしょうか。本セットラストは原田のディジリドゥと山本のピッチシフト低音ギターに導かれての7で終了。ここまで1時間30分弱。

アンコールはまず岡部&芳垣のシンバル、ハイハットのバトルインプロに他の楽器がドローン風に出入りする"SEER"をイントロに加えた"REOM"を演奏。アンコール用という事もあってか、いつもよりリフレイン回数が長めに設定されているようでした。アンコールは約20分。アンコール終了後、何度か喋ろうとしてタイミングを逸していた山本がマイクに向かって「ありがとう」と連呼しているうち、突然絶叫してマイクスタンドをぶち倒して退場! と思ったらまたステージに水のボトルを取りに戻ってきて爆笑。このあたりは山本らしいというか(^_^;)。

これまでは4組出演で終了は20時30分を超えていたこのイベントですが、今回は20時前に終了しました。野音の撤収時間は21時と決まっているという話を以前どこかで聞いたんですが、これまでに比べて今回はかなり余裕ではなかったでしょうか。

ROVOの7月のレコ発ツアーでは新曲がフルに聞けそうで今から楽しみです。


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