この企画ではアコースティックでやることが多いですが、この日はエレクトリック。今堀はSYMBA II（白いギター）と水色のストラト（２のみ）を使用。また、キーボード＆サンプラーも用意。岡部は２月にin Fで今堀・太田と共演した時と同じジャンベ１本を中心にカホン、ハイハット等のシンバル・ブロック類、小物多数を使用。ナスノはいつものセッティングに加え、新しいワウペダル（IbanezのDemon）が加わっています。

１．UBT#4
２．Fake Rose Garden（のようなもの？）
３．Joujoushka
（休憩）
４．Oil On The Pan On Canvas
５．The Grid Of The Wind
６．The Tape Eater
（アンコール）
７．Pheasantism

前半３曲は今堀＋岡部のデュオ。今堀がキーボード＆サンプラーで曲のベースとなるリズムパートを提示し、これに岡部がアフロ・ポリリズム的解釈のリズムを重ね、今堀がギターで曲を構成するという形。これらの形態はubt TRIOでは「（打楽器奏者の）手が足りない為」実現出来ていなかったアプローチで、これをやるために岡部を起用したとか。最終的にはトリオに岡部を加えた４人編成でライヴをやることが目標だとか。２はこの曲の断片的なサンプルフレーズを再構築したもので、まるで別曲のようです。３はunbeltipo名義では一番最後に作成したポリリズムアプローチの曲だそうです。打ち込みビートに今堀のギターが乗るタイプの演奏はun bel tipoの初期にはよく聴かれましたが、トリオが活動の中心になってからは久々に聴くせいか新鮮味があって非常に面白かったです。前半は約５０分の演奏。

後半およびアンコールはナスノを加えた３人編成で、ここではサンプラーは使用せず生演奏のみで構成。ubt TRIOではライヴでよく聴かれる曲ですが、佐野から岡部に代わっただけでかなり印象が違って聞こえるのが面白い。佐野のドラムはかなり明快にリズムチェンジやテンポ変更を提示する為他の２人に対するガイド的な役割が大きいのですが、佐野が抜けて２人の演奏に付随するようにリズムを加える岡部が入ることにより、リズムアプローチに対して今堀・ナスノの解釈範囲が大きく広がったことが影響しているんでしょう。ナスノはしきりに「いつもとルールが違う」と言っていましたが、それがどのようなルールかは判らずとも演奏面では大きく変わっているのが聞いていてよく分かります。これに佐野が入るとまた今回とは大きく違った印象になると思われますが、早く聞いてみたいです（ちなみにライヴは年内開催が目標とか）。