佐々木はグランドピアノを中心にメロディカ、そして部分的にカシシとタンバリンのパーカッションを使用。不破は黒のプレベタイプのベースとガットギター、山本は黒ストラトとフォークギターを使用。エフェクターはTUBE SCREAMER、DUAL OVERDRIVE、コンパクト型ディレイといつもより少なめ。
１．大寒町（あがた森魚／鈴木博文）
２．犬姫 不破vo&ac-g
３．２６番目の秋（岡林信康）山本vo
４．あたしのブギウギ（南正人）３人リレーvo
５．失業手当（高田渡）不破vo&ac-g
６．かもめ（浅川マキ／寺山修司）
７．ぼくの自転車のうしろに乗りなよ（忌野清志郎）
８．冬のサナトリウム（あがた森魚）
〜サルビアの花（早川義夫）山本vo
９．ステップ
（休憩）
１０．ひこうき 不破vo&ac-g
１１．２時間３５分（忌野清志郎）
１２．自転車に乗って（高田渡）山本vo
１３．生活の柄（高田渡）不破vo
１４．ブラザー軒（高田渡）
１５．悩み多きものよ（斉藤哲夫）
１６．海坊主 不破vo
１７．朝日の当たる家 佐々木ac-g
１８．すかんぴん（鈴木慶一）山本vo、全員cho
（アンコール）
１９．テロの歌（？）不破vo
佐々木の力のあるピアノ弾き語りの歌を、不破の押さえたトーンのベースと山本の自由度の高いフレーズを軸にしたギターがサポートする１からスタート。これはこの日の演奏の基本形となります。山本のショートディレイはこういった美しい曲には実に効果的に作用します。２はおなじみの曲を不破がボサノバタッチのギターを弾きながら歌います。普段は聴けない不破の渋い歌がたっぷり聴けるのがこのユニットの特色ですが、本人曰く「今日は一滴も酒飲んでない（笑）なのでいつもと違ってすげー緊張している」とか。大きなドラマの無い日常的な光景を淡々と歌う３は山本の歌の世界のルーツをかいま見るようで興味深い。事前に曲順を決めていたのはここまでで、以後は大量の歌詞カードをまさぐりながらフリーダムに展開。４は３人それぞれのスタイルでメドレーで歌っていきます。５は佐々木がメロディカを使用。６は個人的にはカルメン・マキ＆サラマンドラでなじみのある曲ですが、佐々木の歌いっぷりは大御所に比べても決して引けをとっていません。７はフォーク時代のRCの曲ですが転調の仕方がユニークで印象的な曲。８は山本の歌うメドレー。特に早川の声に似ているという声が多数聞かれました。ジャックスが出ていた早朝のテレビ番組について知っていた佐々木に、山本は「よう知っとるな〜」と感心しきり。前半最後は昨年のライヴでもやった９で終了。
後半は不破の歌う１０からスタート。山本はこの曲と次でフォークギターを使用。清志郎２曲目の１１は前の曲と一転ダイナミックなピアノ弾き語り。１２〜１４は怒濤の高田渡メドレー。不破の高田についての思い出話（吉祥寺で飲んでいたらなぜかリンゴを１個もらったとか、川下直広と同じアパートに住んでいた話とか）なども交えつつ進行。山本の１２、不破の１３ときて圧巻は佐々木の歌う１４。これは凄まじい。１５は佐々木が山本に歌わせようとしましたがこれは未遂に。１６は佐々木ではなく不破が歌います。１７はこの曲のみ佐々木がピアノから離れ、不破のアコギを借りて日本語詞で歌います。１８はこのユニットのテーマソングと言っても過言ではない名曲。まさにこの３人の為に書かれたような曲。ちなみにフジロックでは鈴木御大本人が加わって歌うという事態になったそうで「あれは夢だったのでは」 本編はここで終了し、アンコールは「アンコールしたことを後悔させる（笑）」ということでちょっと懐かしい１９を歌って終了。前・後半とも１時間オーバーとたっぷり聴かせていただきました。
個人的にはこのあたりのフォークはあまり詳しいわけではないので、どの程度楽しめるのか不安もありましたが、実際聞いてみたら素晴らしい内容でした。むしろ詳しい人より予備知識のない人の方がより楽しめるのではないかと思うほど。せっかくだからこのユニットは継続して、新ネタを加えて定期的にライヴをやってほしいところです。