ステージ向かって左から芳垣、山本、七尾という並び。芳垣はREMOのグレーの１タム１フロアのセットに小物類多数。左手側のクラッシュシンバルにはチェーンを渡して残響を加え、右手側の空いたスタンドには演奏しながら小スプラッシュと、さらにその上にもう１枚シンバルを順次追加していきます。山本はEastman ER1ギター１本のみを使用。エフェクターはMORLEYのワウペダル、TUBE SCREAMER、DUAL OVERDRIVE、ディレイ、リバーブ、ピッチシフター、ギガディレイを使用。七尾はヴォーカルマイク用にSTEREO MEMORY MAN（ディレイ）、LINE6のDL4、リバーブ、ピッチシフターを使用。アコギも用意していましたがこれは使用せず。一度山本に弾くよう促されていましたが遠慮してました(^_^;)。

１．前半は２人のみでの演奏。マレットでドラムセット上に並べたシンバルや小物類を細かく連打、やがてスネアやタム類へと移行していく芳垣と、抽象的で小音量・音数の多い山本のプレイによる演奏からスタート。ギターの和声提示など小音量の場面を多めに展開していき、芳垣のブラシを使ったゆったりとしたグルーヴのリズムが入り、その後スティックに持ち替えて徐々にラウドな展開へ。山本は自由度の高い演奏を加えていきます。ピッチシフターで高音を重ねた音色も使用。その後山本は押さえるコードを変えてフィードバックトーンを出し続けます。やがて山本の早弾き＆音数の多いギター（これほど弾きまくるのは珍しい？）とスネア＆タム連打の場面から、高速２ビートのリズムを中心にしたハードな展開へ移行し、その後カタストロフを経てすんなりと終了。約３０分。

２．山本のリバースやループなどの特殊効果を多用したギターと、芳垣のチェーンなどを使った小物類による演奏からスタート。山本はピッチシフターのセッティングを変え、超低音での音を随所に加えます。また、ペン（？）などを使ったグリッサンド奏法も見せます。その後はグルーヴ感のあるリズムとファンク風のギターを軸に加速。山本のソロのフレーズが純和風テイストなのが面白い。約１５分。ここで前半終了。

３．後半は七尾を加えた３人での演奏。七尾はヴォーカルに各種エフェクターを細かく出し入れしていきます。ピッチシフターで超低音にしたり、ディレイで短音連打したり、１音だけ深いリバーブを掛けたりするなど、さまざまな技を繰り出します。これに金物類をメロディックに叩く芳垣、リバースループなどで異次元的な効果を加える山本のギターが加わります。七尾が声を重ねてリズムループのような音を作ると、これにグルーヴするドラムとワウを使った刻みギターが乗っていきます。山本の弾く静謐なギターの和声感がちょっと内橋和久ぽいのが面白い。その後は山本の弾くソフトロックかAORを思わせるコード展開を中心に展開。芳垣はフロアタムにタオルをかぶせてミュートして使用。ボンボのような余韻がデッドな音になります。山本のリフ＆カッティングから疾走感のある展開へ。ここでのコードの動かし方が山本らしい独特のものです。最後は芳垣のシェイカーを使った演奏を中心にフェードアウトしていき終了。約３０分。

４．七尾の「ナンバジャズ」をネタにした語りぽいヴォーカルにフリーな演奏が加わる形。ここでようやくジャズぽいギターとドラムのからみが出てきます。七尾と山本のエフェクト合戦（？）から芳垣がからむフリーバトルから、一転してフォーク的な山本のコード展開とそれに七尾が叙情的な歌パートを乗せる展開へ。その後は山本がコードの爪弾きをループ化して、それに３人のフリーな演奏が乗っていきます。特にドラムのリズムフリーな爆走に合わせてアンサンブルが盛り上がっていき、その後フェードアウトして終了。約２０分。ここで本編は終了。

５．アンコールセット。ここでは２人による演奏。芳垣「何やりましょうか。ジャズでもやりますか」山本「やってるやん（笑）」静のインプロから徐々に音数が増えていく立ち上がり。山本はペンや電池（？）などを使ったグリッサンドも繰り出し、徐々にラウドな展開へ。その後静のパートへ移行し終了かと思いましたが、芳垣がシンバルをタムの上に乗せてマレットで連打するドローン的な音を延々と繰り出します。ちょっと終わるタイミングを逸してしまった山本がどうしようか展開を探っていくうちにシンバルドローンが終わって終了。結局アンコールにもかかわらず２０分近い演奏に。最後引き上げる際に山本が芳垣の足下に置かれていた金物類につまずいて派手な音を立てるおまけもありました(^_^;)。