ステージ上の並びは前面向かって左に鬼怒、右に勝井、後方は左から順に高良・大坪・岡部という並び。10月のHIGHでのライヴはちょっと珍しい並びでしたが今回はノーマルな形に戻りました。鬼怒は鼈甲のピックガードを付けたハムバッカー搭載のストラトを使用。エフェクターはいつものセッティングからBOSSのFUZZが抜けて代わりにVALVE EXTREMEが加わりました。これは一時期使っていましたが復活。これとBOSSのBLUES DRIVERとVIZIONを組み合わせて多様なファズトーンを使い分けての演奏です。また、ガット弦のアコギも使用。勝井はいつものセッティング。高良はヴィブラフォン、スリットドラム、右手側に紐で吊った多数の小シンバルなどを使用。この日はドラムセットは使用せず。岡部はトラップドラムのセット、ジャンベ、カホン（演奏には使用せず）などを使用。大きなハンドドラムが用意していたのが気になったんですがこれも実際には使用せず。どこで使う予定だったんでしょうか。

１．トラベラーズ
２．カミナンテ
３．THREE VOICES
（休憩）
４．新曲
５．2月の新ピで初演した新曲
６．MINUS ONE
７．サイプレス
（アンコール）
８．HAPPY BASTARD

１は８月のライヴで初演し今回が３回目の演奏となる新曲。もうすでにメンバーは何回やったか忘れてしまってます(^_^;)。私は10月のライヴで初めて聴きましたが、対バンありだったこの時に比べ、ワンマンの余裕かかなり時間をじっくりかけて展開し、なんと20分の大作に（というか前回が短縮ヴァージョン？）。肯定的なメロディが印象的なテーマ部から、ヘヴィなリフを中心にしたパート、ミニマルで静謐なアンサンブルの中動きのあるベースラインが印象的なペッカ風のパートと続いてテーマに再び戻る形。細かいところの楽器構成などはかなり変えているようでした。まだまだ試行錯誤中か。２は元々COILでのレパートリーだったそうですが、すっかりボンフルの曲として定着しました。"LOCOMOTIVE"を思わせる横ノリの強烈なリズムが凄い。高良はスリットドラムを使用。アフロ的なリズムを多用している最近の曲ではこの楽器の存在感が増してきているように感じます。３の演奏前のMCで「次で前半最後の曲」と言うと客席から「ええもう？」的なリアクションがありましたが、これがテンポをゆったりと取って25分にもおよぶ長い演奏に。結局トータルで前半は１時間弱ほどの演奏時間でした。

後半１曲目はこの日初演の新曲。まだタイトルは付いていないとか。静かに立ち上がり、ギターの動きのあるメロディを中心にしたテーマから始まり、その後は早いテンポのリズムとややダーク＆ミステリアスなムードで進行する曲。これも15分におよぶ大作ですが、場面転換の明確な１に比べると、こちらはあえて転換を明確にせずに進行していくのが面白い。後半は前半に比べ、かなり長めのMCタイムを挟みながらゆったり目に進行。５はタイトルが付いていてMCで言っていましたが聞き逃しました(^_^;)。鬼怒のアコギのメロディから各パートがずれながら緩やかに絡み合っていく曲。６はIVからの曲。確かにこの頃はちょっと気が狂った感じではありました（個人的には、前のアルバムをライヴレコーディングしてからIVが出るまでの間にライヴでやっていた試行錯誤ヴァージョンの方がより狂っていると思いますが）。高良はヴィブラフォンの上に金物（？）を置いて叩きます（何を使っていたかは見えなかった為不明）。ラストでの鬼怒のワウペダルを細かくかけた早弾きソロが凄い。本編ラストの７は4月のグッドマンでのライヴで初演した曲。鬼怒はここではヴォリュームペダルを細かく操作してのトレモロ効果を多用します。中間部での高良のスリットドラムと勝井のピチカートによる複合リフがアフロっぽさをさらに増強します。アンコールは年末のラストらしく（？）景気のいい８で終了。後半は話も長かった為１時間１５分におよぶ演奏。

この日の演奏は全体的に落ち着きがあるというか、メロディアスというか、静のイメージがかなり前面に出ているような印象が強かったです。最近の曲にそういう傾向が強いせいかもしれませんが、かつてそれこそIVの曲や"SKIN"がメインレパートリーだった頃と比べると、大きく傾向が変わったなあという気がします。