ステージ向かって左からナスノ、吉田、鬼怒という並び。ナスノのエフェクターは手元にDigitechのディレイとMoogerfoogerのローパスフィルター、足元にDemon Wah、Synth Bass、BossとShin's MusicのBass Overdrive、ヴォリュームペダルというセッティング。Shin's Musicのものはほぼ全編でかけっぱなしにしていて、軽めのファズトーンで使用。Synth BassとBossのODは重低音を出すときに使用していました。ソロパートではDemon Wahを使って中音域に変化をつける場面が目立ちます。吉田は店置きのものと思われるPearlのシルバーの２タム１フロアのセット。これに高チューニングのセカンドスネア、２バスペダル、チャイナシンバルなどを加えたセットを使用。鬼怒はいつものストラトにエフェクターはValve Extremeに代わってオレンジのものを加えたセット。
１．SWAN DIVE
２．TUNDRA
３．UPSTREAM
４．VANISHING POINT
５．WATER SHED
６．XENON
７．YELLOW JACKET
８．ZEBRA CROSSING
９．ABANDON
（休憩）
１０．ON REFLECTION
１１．BETWIXT
１２．DOLDRUMS
１３．EXODUS
１４．RAMBLING
１５．OBJECTION
（アンコール）
１６．JACKSON
まず前半はこのところ恒例となっている（？）次回作収録予定の曲、頭文字S〜Zまでを順に演奏する形態ですが、今回はこれに最新作A（アルファベットを一周りして戻ってきた）を加えて９曲を演奏。これだけのヴォリュームですが１曲ごとにナスノがMCを入れるため予定よりもかなり押してしまいます(^_^;)。ナスノは来る前にジェネシスのライヴをYOUTUBEで見ていたく感激したという話をしていましたが（ちなみに曲は"LOS ENDOS"だったとか）、その後に演奏した５では途中のインプロパートでナスノが"ROUNDABOUT"のリフを弾き出し、これに合わせた演奏になってしまって爆笑が起きる場面も。ナスノ「やっぱりいい曲やわ〜」鬼怒「さっきの話の流れならそこでジェネシスの曲やんなきゃ」ナスノ「しまった〜」(^_^;) ７〜９は時間短縮のためかメドレーで一気に演奏。最新作Aは２月のライヴで話題になっていた「バラード曲」で、７月のライヴが初演だったようで今回は２回目とか。メロディアスなバラード風に始まりますが中間部はやはりポリリズム的な展開へ移行し、最後は元のバラード風テーマをややハードめの音で再現するという形。是巨人としては珍しいタイプの曲ですが、新作にはこの曲も収録されるんでしょうか。前半は７０分で終了。
後半は「最近ライヴでやっていないちょっと珍しい曲」を集めたセット。この中で１２だけは２月のライヴで聞いているせいかあまりレア曲という感じはしませんが、それ以外は確かに最近あまり耳にしなかった曲ばかりでなかなか新鮮です。それに加え、３人のサウンドやプレイスタイルがかなり変わっているためか、以前聞いた時とは印象が変わっている場面が目立つのが面白い。１０の中間部で吉田がフロアタム８つ打ちで明確ななリズムを打ち出しているのをバックにナスノがワウペダルを使ったソロを乗せる場面や、１１のやはり中間部で吉田のミュートシンバル連打や鬼怒の軽快なフレーズを起点にした場面、１３中間部のファンク的なグルーヴを聴かせる場面、１４中間部でのナスノのディレイを使ったソロパート、１５中間部のアラブ・ポップぽい（？）ギターソロを中心にしたアンサンブルと、などが印象に残りました。久々にやったためかやや息が合わない場面も目立ちましたが、それを差し引いてもこの選曲はなかなか楽しめました。アンコールに出てきてから演奏するまでの間にかなり長めのMCタイムに。遠方から来ていた人は気が気ではなかったでしょう。ここで次回作の話に。タイトルは"TUNDRA"で、ジャケットはツンドラの風景にしようと思ったがやめて、代わりにエルサレムで撮ってきた地下神殿のメデューサの石像にする予定だとか（かなり怖そう？）。それでさっき買ったイスラエル盤のCDを仕入れてきたんでしょうか。また、前半ではここに来る前に鬼怒がギターパートの録り直しをやっていたという話もありました。「一般向けにするため」だそうですが、今更ギターだけ録り直してもあまり一般向けにはならないような気もします(^_^;)。で、その際鬼怒が服を忘れてきてしまい、ここで売っていた絞り染めのサイケなTシャツを着ていました。絞り染めをこのバンドの揃いのコスチュームにしようという案も出たそうですが、果たして実現するでしょうか。後半はアンコールおよびその前の長いMCも含めて約１時間とややあっさり目でした。
アルバムは最初にバンドで録った時からかなり手が加えられているようで、ライヴとは違った面白さが感じられると嬉しいですが、どうなるでしょうか。