ステージ向かって左から津山、吉田、河端、そして前方中央に梅津という配置。津山はこの日はファンダーのジャズベースタイプのベースを使用。フェンダーぽい硬めのトーンは使用せず、低音を前面に出した音作り。エフェクターはコンパクトディレイ１台のみで、例によってヴォーカルマイクとベース両方をつないでループディレイとして使用。他にはリコーダーを使用。吉田は２タム１フロアのセットとダラブッカを使用。エレクトロニクス類は使用せず。河端は白のスタインバーガータイプのギターを使用。エフェクターはワウペダル、ファズ、ZOOM G2、ヴォリュームペダル、ディレイ（ループ用に使用）、リバーブ。演奏用のデバイスとして小ドラ、弓、グリッサンド奏法用の十手を使用。梅津はアルトサックスを中心に、ソプラノ、クラリネットを要所で使用。

１．まずは挨拶代わりにスピード間のあるショートセットからスタート。

２．河端はギターの弦に小ドラを挟み、叩いたりしてメタルパーカッション的な音を出します。静の場面では梅津はクラリネットを効果的に使用。へヴィドローン的な展開から、河端の刻みリフを合図に動的な展開へ。この日は河端がリフ弾きで展開を変えていく場面が目立ちました。

３．河端の弓弾きと津山のハーモニクス奏法をそれぞれがループ化して音を重ねていく形からスタート。梅津はソプラノでミニマル＆ポリリズミックな音を重ねます。後半はピンク・フロイドの「マネー」を思わせる３連系ブルースロックへと展開。

４．吉田のヴォイスと梅津のデュオからスタートし、津山がベースをフルートに見立てた演奏（これがホントのバスフルート？(^_^;)）を加えます。河端はボトルネックや十手グリッサンドを使った演奏を加えます。津山はベースを立ててウッドベースのように演奏。ダウナー＆ブルージーな場面の多い演奏。

５．吉田のダラブッカと津山のリコーダーとホーミーによるトラッド＆エスニックな演奏。後半はここでも河端トラッドロック的なギターリフを合図に転換。前半はここで終了。計４５分ほどの演奏。休憩を入れるかそのまま続けて演奏するか決めてなかったようでしたが、結局１０分ほどの短時間の休憩を入れることに。

６．吉田のカウントに合わせて、短いサイクルで次々とテンポがリズムのスタイルが変わっていく演奏。途中３人によるズビズバXを思わせるヴォイスアンサンブルや、梅津のクレズマー風フレーズに津山の民謡風ヴォーカルが乗り、を河端のトラッド風単音ギターリフを軸にした展開などさまざまな場面が見られます。津山は自分のヴォーカルマイクを吉田に向けてループして重ね、さながら「２人吉田ヴォイスデュオ」のような場面を作り出すのが面白い。この日最長２５分ほどのロングセット。津山曰く「組曲１番（笑）」

７．津山による「新曲・工事現場」しかし、思ったような効果は出ずに反省しきり。河端に「それ今思いついたでしょ」と突っ込まれてました(^_^;)。その後は津山のヴォーカルパートを中心にしたセットへ。最後は津山がリコーダーでなぜかチューリップの歌を吹いて終了。

８．ファンク＆ブラコンぽいリズムを中心にした演奏。しかしこういう演奏をやっても様になるどころか手馴れた本職のミュージシャンよりもカッコ良く聞えてしまうのが面白い。途中いろいろ展開した後最後にまた戻ってくるのがさすが。

９．津山はベースを裏返しに持って演奏。以前このネタを見たときは口三味線で音を出していましたが、今回はフレットを裏からハンマリングで弾いてちゃんと音を出していました(^_^;)。梅津はなんと３本吹きに挑戦。さすがに厳しかったですが続く２本吹きではハモリで早いパッセージを吹きこなすのはさすが。爆走と抑えた場面が交互に出てくる演奏。これで本編終了。

１０．アンコールセット。津山は今度は左利きでのベース弾きに挑戦。これはベースの弦が右利き用に張られていたこともあってあえなく断念(^_^;)。Ｒ＆Ｒ的な進行から非常に長い空白を挟んで、最後は全員爆走して終了。後半は１時間弱の演奏時間でした。

この日はジャズ的な部分は抑え目で爆走度が高い演奏が目立ちました。ワンマンライヴをやっても最後までしっかり持たせる引き出しの広さはさすがです。個人的には「梅津の演歌ソロをバックに歌う津山」は実際に見てみたかったところではありますが(^_^;)。