小川美潮、今堀恒雄セッション
2012/6/27 関内STORMY MONDAY
小川美潮を中心にしたスペシャルセッションです。メンバーは今堀恒雄(g)、外山明(ds)、大川俊司(b)、BANANA-UG(kb)。ウズマキマズウに今堀＆外山が混じる形で、ありそうだけど意外とない組合せでどんな内容になるか興味深いです。小川と今堀は、1990年頃の小川がソロ活動をスタートさせた時に、「どっかに行っちゃった（笑）」ギタリストの後任として今堀を起用したのが縁の始まりだったとか。
ステージ向かって左から今堀、外山、小川、大川、BANANAという並び。今堀は水色のストラトを使用。外山は１タム１フロアの低い位置のセット。大川は黒のフェンダージャズベースを使用。前半は立って、後半は椅子を用意して座って演奏。横で立ってドラムを叩く外山との対比が面白い。BANANAはYAMAHA P-150と白にペイントされたプロフェット５を使用。
１．インプロ〜？
２．Here Comes The Rain（今堀）
３．（BANANAの曲）
４．デンキ
５．ホビットの夢
６．（今堀の曲）
（休憩）
７．（BANANAの曲、インスト）
８．まだないんですよ（外山の曲）
９．人と星の間
１０．はじめて
１１．（今堀の曲）
１２．窓
（アンコール）
１３．やっとだね
BANANAのプロフェット５による電子的な音から小川を除く４人によるインプロがスタート、やがて小川が入って囁くような声を加えて展開していきます。そしてそのまま２へ移行。これは今堀がアニメ"GUNGRAVE"用に作ったサントラの曲で、こういう編成のときでなければ聴けないかなりのレア曲。こういう曲が聴けただけでもこの日脚を運んだ甲斐がありました。３はBANANAの曲で、ポップファンク的な要素の強い曲。今堀は「これBANANAの曲だったの？」と驚いていました(^_^;)。４〜５はウズマキマズウでおなじみの曲。当然ですが今堀＆外山の演奏で聴くと同じ曲でもぐっと印象が変わります。外山はこの日は崩しはわりと抑え目でしたが、それでも要所でリズムを撹乱したりダイナミックに盛り上げたりと持ち味をしっかり出しています。６は今堀の曲で、こちらは歌ものというよりスキャットパートをフィーチュアしたインスト・ジャズロックという感じ。構成がかなり練りこまれており、なかなかスリリングです。今堀とBANANAのシンセブラスのユニゾンといった場面も。前半は約４５分ほどで終了。
後半は小川を除く４人でのBANANA作のインスト曲からスタート。ピアノを中心にしたメロディアスな曲で、なんでもこの日初演だったとか。８から小川が加わります。これは曲というよりゆるい感じのセッション風の演奏。９〜１０とまたウズマキマズウの曲が続きます。９のBANANAの切れのあるシンセソロはさすがです。１０の前に小川作詞、渋谷毅作曲のの曲（「じっとまったくん」）がNHKのおかあさんといっしょで流れているという話題に。１１は英語詞の付いたヴォーカル曲。静謐な良い曲ですが小川の喉のコンディションが良くなかったのが残念。ラストの１２が小川の曲の中でも名曲と名高いもの。終盤は満を持した今堀のダイナミックなソロと小川のヴォーカリゼーションのバトルが展開します。アンコールは全員のソロをフィーチュア。とぼけた曲展開にマッチしたアウトなソロを取る人、逆に負けずに自分の美意識を可能な限り崩さないようにプレイする人、この日一番の見せ場にもかかわらずフェードアウトしちゃう人、期待通り思いっきり外して爆笑を誘う人、とソロの立ち位置もそれぞれ個性的。後半はアンコールも含め１時間強の演奏。
この組合せならではのレアな曲や、おなじみの曲でも珍しいメンバー編成で興味深く聴ける曲など、新鮮味のある内容でした。この組合せは再びあるようなので、今回見逃した人は要チェックです。
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