今堀恒雄、ナスノミツル、吉田達也
2012/11/8 下北沢THREE
上記３人でのライヴです。今回のライヴの特徴は、この３人での演奏に加えて３通りのデュオの組み合わせの演奏が行われる点。しかもいずれもインプロではなく曲もの。かなりレアな曲が聞ける可能性もあり期待大です。
ステージ向かって左から今堀、吉田、ナスノという並び。今堀はいつものエフェクターセットに加え、テーブル上にエレハのディレイとSP-303サンプラー、ZVEXのファズファクトリー、さらに足元にもう１台オーバードライブを追加。アンプは２台使用。ギターはいつも使っている水色のストラトに加え、赤のハムバッカーをリアに搭載したストラトとレスポールタイプのものも準備。吉田は右手側にサンプラーとMacBookを準備。MacBookは録音用かと思っていたらサンプラーとしても使用しているようでした。足元にもエフェクターがあったようですが未確認。ナスノはZOOM B3をメインにヴォリュームペダル、手元にDigitechのディレイ、アンプはベースアンプとギターアンプの２台編成。ちなみに場内BGMはタンジェリン・ドリームのルビコン。ナスノの趣味か？(^_^;)
まず最初は吉田＋ナスノによる"RUINS SONGS"。
１．Hyderomastgroningem
２．Plexus
３．Quetzalcoatl
４．Znohjmo
５．Vrresto
６．Del Fanci Kant
７．Praha In Spring
８．Hard Rock Medley
９月のストマンでやったルインズ曲をほとんど演奏（Thriveだけやりませんでした）。私がこのデュオを見るのはこれで３度目ですが、最初に見た時の衝撃から徐々に佐々木ルインズとの違いが見えてきたように感じます。佐々木は吉田と同じグルーヴで前のめりに突っ走っていくのに比べ、ナスノは後ノリで突っ走る吉田を引き戻そうとしているようなバランスなのがよく分かって来ました。そのため場面によってはぎこちなく聞こえる場面があったりしますが、さらにライヴ回数を重ねていくとこれまでにはなかったタイプのルインズ像が完成するかもしれません。期待大です。
続いて今堀＋ナスノによるunbeltipo DUO。
１．Dash Freezing
２．Coaltar Overdoze
３．Oil On The Pan On The Canvas
確か以前もやったことがあるはずですが私は見逃しています。ここでは最近のトリオでのライヴではやらなくなった古めのレパートリーを取り上げています。また、２はアニメのガングレイヴのサントラの曲。基本的にunbeltipoの曲をドラム抜きで演奏する形態なのですが、ドラムがないだけでこれほど印象が大きく変わるのかというのが驚きです。普通こういう演奏を聞くとドラムパートを脳内補完して聞いてしまうんですが、この演奏だと覚えているはずのドラムパートが全然出て来ません。それほど曲の構成がおかしいのか、それとも演奏で激しく崩しているのか...。ちなみに２は原曲は弦カル用にアレンジされていますが、それをこの編成で再現するとこんなふうになってしまうというのが面白い。しかし面白いけど聞いていて非常に脳のエネルギーを使う音楽です。この日は立ち見だったため余計に疲れが...(^_^;)。
３組目は今堀＋吉田デュオ。
１．Quantam
２．EST
３．Expiry
４．Language Pollution
この２人で制作した２枚のアルバムの曲を再現するというコンセプトでの演奏は2008年以来４年ぶり。しかしこの２作のアルバム、両者で音源を何度も交換しながら互いに音を加工していく形態を取っており、これをライヴで再現するのは非常に難しく、ここでも吉田と今堀のサンプラーが大きな働きをします。今堀は３で赤ストラトを、４ではレスポールを使用。unbeltipoに比べてこのデュオでは吉田に引っ張られれてか今堀が高速で弾きまくる場面が目立ちます。また、曲の変態度の高さもライヴで聞くとさらによく分かります。今堀のエレハのディレイはここでのインプロパートでかなり多用されていました。
最後はトリオでの演奏。ここでは今堀＋吉田の曲「Lymph Gland」を３人で演奏。この曲は2008年の３人でのワンマンライヴでも演奏されていますが、今回は１曲のみということもあってか非常に気合の入った演奏。特に後半の崩壊と再生を繰り返しながら延々と繰り返される場面、３人の演奏の振幅の大きいゆらぎが予想不可能な凄まじいダイナミズムを生み出します。素晴らしい演奏。アンコールはもう曲がなくなったということでインプロでの演奏でしたが、ここでの「いつものインプロ」的な感じがかえってその前の曲の凄さを浮き立たせている印象さえありました。
とまあいろいろありましたが最終的にはトリオの演奏の素晴らしさが一番印象的でした。また３人で今堀＋吉田の曲を再現するワンマンライヴとかやって欲しいけど、準備とかが大変そうなので難しいかなあ...。
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