鬼怒無月、内橋和久、ナスノミツル、吉田達也
2013/10/21 新宿PIT-INN
上記４名によるセッションライヴです。是巨人に内橋がゲストで入る形態はこれまでありましたが、４人連名でのセッションは初。いろいろ予想はつきますが果たしてどういう形になるのか。
ステージ向かって左から鬼怒、ナスノ、吉田、内橋という並び。鬼怒はいつものストラトとエフェクターセット。ナスノのエフェクターはシンセベース、EBSのBASS IQ、EXOTIC BASS BB+、BASS OVERDRIVE、ヴォリュームペダル、Hall of Fame（リバーブ）というセッティング。吉田は２タム１フロアのセットで、右手側に録音用と思われるMacBookを用意。内橋はGodinのギターを使用。エフェクターは足元にLoop Station、手元のテーブル上にEXOTIC BB+（ファズ）、Whammyペダル、エレハのディレイ、TCエレクトロのNova Reverb、ギガディレイをセット。手元に置いているのはファズも含め各エフェクターのセッティングを演奏しながら随時細かく変更するため。
１．この日は全てインプロで、１０分以内の比較的短いセットを多数演奏する形。演奏内容も疾走度が高く展開の変わり目の速いもの。アルタードや是巨人というより、超即興の豪華版といった感じの演奏です。
２．セットの立ち上がりは鬼怒と内橋の２人による掛け合いからスタートし、これにナスノと吉田が肉付けしていく形が目立ちます。中盤以降はナスノがunbeltipoを思わせるテンポ伸縮型のリフを提示し、これを中心に進行していきます。
３．ナスノはこの日は２種類のオートワウとファズを使ってかなり派手目の音作りを多用します。混沌とした展開が続いたかと思ったらいつの間にか鬼怒と内橋が示し合わせたかのようにロングトーンでハモりフレーズを弾いていて驚愕します（汗）。
４．内橋はアタッチメントで弦を挟み、ミュート＆倍音を加えたバンジョーかドブロを思わせる音色での刻みからスタート。これを合図に、能天気に爆走するかなり異色なタイプの演奏に。ここでもナスノのワウベースが目立ちます。
５．内橋は茶漉しで弦を擦って静かめのスクラッチ音を出し、ここからピンク・フロイドを思わせるブルージーで抑えたタッチの演奏が続きます。織り交ぜられる内橋によるディレイの逆回転音がさらにサイケ度を増して効果的。これもこの日の中では変わった感じの演奏。前半は計４０分ほどの演奏。
６．後半は内橋のボトルネックを使った演奏からスタートし、ダウナー目の展開へ。その後は是巨人を思わせるポリリフから１１拍子のリズムが立ち上がっていく展開。
７．内橋のピッチシフトを極端にかけた音色での刻みから、混沌とした展開へ。ここでもいつの間にか鬼怒と内橋がどちらからともなくハモりフレーズを弾いています。とにかくこの２人の反応の速さと適応力は凄いとしか言いようがありません。
８．後半は定型リズムというより混沌とした展開が目立ってきます。ここから７拍子へ移行。最後は内橋は緩めた弦を引っ張ってフィードバック音を出します。
９．ここではさらに内橋がディレイループによる音も加えてさらに混沌度アップ。終盤は高速７拍子を中心に展開。
１０．内橋は今度は低音弦を緩めて弾いたり、Whammyペダルで音のピッチを下げて演奏。これにより、まるでツインベース編成のような音になるのが面白い。途中内橋が抜けた場面はディス・ヒートの"Horizontal Hold"のような音に。これで本編終了
１１．アンコールセットは爆走度の高い短い演奏で終了。後半はMCやアンコールも含め１時間弱の演奏。
時間は短めでしたが内容の濃い演奏でした。鬼怒と内橋がエレクトリックで２人で弾きまくるという編成はありそうで無かったものなので、この形態でのライヴも定期的にやってくれると嬉しいです。
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