GILGONGO

2013/10/22 吉祥寺FOXHOLE
清水一登(kb)、植村昌弘(ds)、ナスノミツル(b)のトリオ、ギルゴンゴの6月の同所に続き今年2度目のワンマンライヴです。別稿のライヴが直前に入ってきてしまったため、このライヴを見るのは諦めていたんですが、そのライヴが意外と早く終わったためハシゴをすることに。会場についてみるとまだファーストセットの最終曲"Ish #5"の終盤盛り上がっているところで、先に来ていた知人に聞いたところ私のお目当ての2曲はまだ演奏していないとの事。これはラッキーでした。

ステージ向かって左から清水、植村、ナスノという並び、清水は遂に新キーボードを導入! 追加されたのはやはりコルグの"Kross"。これを店置きのコロンビア・エレピアンの上に置いて使用。植村は1タム1フロアのセットにもう1つ小タムを追加したセット。ツーバスペダルも使用。スネアがデスメタル仕様なのが笑えます。ナスノのセッティングはDigitechのディレイを除いて前日の新ピと同じ。

後半以降のセットリストは以下の通り。

1.Mambo me, Rhumba you
2.Ish #2
3.Soft(ナスノの曲)
4.重量投げ
(アンコール)
5.Ish #5(シャカタク風)

演奏スタート前に例によって長々とMC(というよりトーク)が続きます。ここで植村の「NHKおよびあまちゃん嫌い」発言が。まあ植村の普段の言動を見ると平常運行という感じですが、ブームに乗っかろうとしない姿勢が漢というか、現在の不遇っぷりを象徴しているというか...(^_^;)。

1.これは前回のここでのライヴで演奏予定だったのがリハが間に合わず、デモ音源とトークでお茶を濁したという曰く付の曲。元ネタとなっているのは清水の古いレパートリーで「収容所」という非常に辛気臭い(注:清水による自己申告)曲なのですが、これを景気良くこのバンドで演奏するために再構成したもの。以前から私の周囲で「ホントにラテンなんて出来るのか?」という疑念は渦巻いていましたが、実際の演奏は...まあ譜面上はラテンなんでしょうね、という感じです(^_^;)。しかしどんなジャンルを演奏しても確実に違和感(個性とも言いますが)が入ってくるというのは大したものだと思います。前回ライヴでお試し版的に演奏された第1部に加え、ここではその後の第3部まで完全演奏。第3部に出てくるリフは確かに過去の清水のライヴで聞いた覚えのある展開です。

2.続いて植村の"Ish"シリーズから演奏。この曲は最初に出てくるAパートのピアノによるコードの提示がちょっとカンタベリーぽくて個人的には好きな曲。中間部はなぜかテーマ部の超高速ヴァージョンに虫の羽音のようなファズベースが乗る展開に。

3.この日のお目当て2つ目、前日のライヴで「Teneleven用に書いた曲で、6人がかりで出来なかったのがこの3人だと出来ちゃった(笑)」という曲。Tenelevenでは別のタイトルで呼ばれているようです。ナスノがこのバンドに提供する曲は例外なくヒドい(褒めてます)ので今回の曲も注目でしたが、これは意外にもマトモにかっこいい曲。ピアノによる6拍子のミニマルなリフを軸に展開して行き、重い17拍子のベースリフ&リズム、ピアノのリフをベースが引き継いで高速化しジャズロック風に展開が変わっていくなど、意外性に富んだ展開が次々に出てくる曲。演奏する側の大変さとしては植村・清水曲に敵いませんが、聞き手側の面白さとしては負けていません。しかしナスノはほんとにジャーマンロックとか好きなんだなあ。清水はここではKrossでピアノにストリングス系の余韻を重ねた音色を使用し、エレピアンの生アコピ音色と使い分けて使用。

4.最後はおなじみ清水のこの曲で終了。清水はここではKrossを矩形波系のリードシンセ音色にしてソロで弾きまくります。ナスノはソロパートでは前日の新ピの続編のようなオートワウをエグくかけた音色でのソロを聞かせます。終盤で清水のブルース弾き語りが出るのは最近お約束ですが、植村のソロにまでこれが侵食していたのは可笑しかった。

5.アンコールセットは前半最後にやった曲を再演。と言ってもこのメンツでただの再演になるわけではなく、名づけて「シャカタク風バラードヴァージョン」この曲のBパートの部分だけを取り出してループし、これに清水がお洒落なカクテルピアノ(笑)による演奏を加えるという形。ホントかよと思って実際の演奏を聴いてみると非常にそれっぽく聞こえて笑えます(^_^;)。そして最後はオリジナル通りのユニゾンキメを一発入れて終了。後半は約70分の演奏でした。

後半だけでしたが期待の2曲はいずれも素晴らしく、さらにアンコールも爆笑させてもらって十分チャージの元は取れました。次回ライヴはMUMUと合体した「ムルゴンゴ」で、MUMUの若い衆2人をこきつかって"Mambo me"と"Soft"を大人数で完全版として演奏する予定だとか。人の悪さがさすが植村らしいというか...(^_^;)


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