PARA 12/3

PARA

2013/12/3　渋谷WWW

PARAのワンマンライヴです。関西では何度かあったようですが東京でのワンマンライヴは今回が初。しかも「アルバムほぼ全曲演奏」との予告があり、普段のライヴではやらないレア曲をやるのではないかとの期待が。

ステージ向かって左からEXPE、西、千住、山本、家口という並び。EXPEはいつもの赤のTESCO SPECTRUMを使用。エフェクターセットは大幅に減って３分の１くらいになっていました（まあそれでも並みのギタリストよりはずっと多いですが）。ZOOMのマルチが加わっていたのでそれに集約したのかもしれません。またこの日はヴォコーダーを使っていませんでした。西はベース用のモノシンセと右手用のシンセの２台を使用。ベースシンセはベースアンプから音を出力。千住は２タム１フロアのセット。山本はいつもの黒ストラトを使用。エフェクターは確認できませんでしたが、音からすると歪み系の他はトレモロパン、ピッチシフター、ディレイを使っていたようでした。家口はいつものNORD LEAD 2XとKORG RADIASのセット。

　１．Jack
　２．Colinto
　３．Cube
　４．M/O
　５．Fletworks
　６．Eura
　７．Mirage
　８．Palmet
　９．Pastral
１０．Arabesque
（アンコール）
１１．Cristal Code

山本は演奏前に「またしばらくライヴをやる機会がないのでこういう形にしました。３時間はかからないと思うけど（笑）まあ自己責任で」とコメントして軽く笑いを取ってから演奏開始。この日は特に音が良く、しかも分離が明確で各パートがずれていくところが非常に良く聞こえ、曲の仕掛けの部分が分かりやすく感じました。これは対バンのないワンマンライヴであることが大きいのではないでしょうか。２ギターのパート分担についても、空間的な音のEXPEと鋭角的な音の山本、といったようにいつもよりも音の分担が明確になっているように感じます。３の開始時、千住がカウントして演奏を開始しますが準備の出来ていなかった山本がストップをかけます。そのすぐ後に千住がカウントを始めたのは確信犯でしょう(^_^;)。６は久々の印象でしたが実は昨年のここでのライヴ時にアンコールで演奏していました。その時は「久々に演奏する」と言っていましたが。７は２枚のアルバム後に出たライヴDVDにも収録されていないため曲名も不明でしたが今回山本のMCで判明。８は本当に久々に演奏する曲だそうで、私が聞くのは2008年のセカンドアルバムレコ発ライヴ以来。山本はこの曲がフュージョン色が強いためライヴで受けるか気にしているようでしたが、この日の演奏内容と観客の反応から今後はライヴで演奏されることが増えるかもしれません。最後の１０はイントロや最後の部分などが大幅に引き伸ばされた演奏で、特に爆音ドローンのラストはかなりの迫力。アンコールは個人的にPARAの曲の中では一番好きな１１。演奏前に山本が西にMCを振ると言う無茶ぶりを発揮。しかもマイクを渡したまま自分の場所に戻ってしまい、仕方なく西がマイクを返しに行く羽目に(^_^;)。山本曰く「究極の反エンタテインメント。事故的なMCとか（笑）」そしてアンコールの演奏を終えた後にまた一言「フュージョンでしたね」今日はやたらフュージョンにこだわっていましたが、この言葉を最後にライヴは終了(^_^;)。結局ノンストップほぼ２時間の演奏でした。

PARAの音は確かに使っている楽器の音色や意外にシンプルで親しみやすいフレーズが多いことからフュージョン的とも捉えられそうですが、仕掛けの深いところでの複雑さや演奏のずれを肯定的に取り入れる手法なんかは、個人的にはむしろこれこそが「プログレッシヴ・ロック」ではないかと思ったりしています。まあこの辺の解釈は人それぞれですが。

結局アルバム収録曲は"Systrum"以外全曲演奏しましたが、個人的にはこの曲だけライヴで聴いたことがないだけにやって欲しかったです。また、大阪でのライヴで演奏したという"Mantral"も聞きたかったです。まあこの辺は次の機会を楽しみにしたいと思います。

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