是巨人、HAPPY FAMILY、sajjanu 12/21

是巨人、HAPPY FAMILY、sajjanu

2013/12/21　秋葉原GOODMAN

吉田達也の主催する企画『変拍子で踊ろう』Vol.12です（私は吉田さんに聞かれて１２回目ではないかと伝えたんですが、ひょっとしたら抜けがあって１３回目だったかもしれないとの事(^_^;)）。今回はおなじみ是巨人、今年15年ぶりに活動を再開したHAPPY FAMILY（この日が復帰後3度目のライヴ）、そしてsajjanuという3バンド。個人的には初めて見るsajjanuに期待です。この日会場はステージ近くが立ち見で後方が椅子席という配置。まあライヴの企画の趣旨には沿ってはいますが...。

1番手はsajjanu。ギター2人、ドラムの3人編成。左の人はフェンダーのジャガー、右の人はジャズマスターを使用。出てきて早々に右のgの人がノーマイクでMC。演奏は全1曲のみということで、いきなり締めの挨拶でスタート(^_^;)。演奏は短いフレーズを矢継ぎ早につなげる形でノンストップで延々続きます。ほとんどが繰り返し無しなので、曲を覚えるだけでも大変そうなのですが、3人とも完璧にコンビネーションが決まっています。もちろん3人とも譜面は見ていません（というか譜面にすると大変なことになりそう(^_^;)）。これを休みなしで40分以上続けていくのだから驚異的。まあそれだけでも凄いんですが途中で出てくるグルーヴィなリズムの場面や70年代フュージョン風の叙情的な場面での歌心など、その場面だけ抜き出しても実に素晴らしい演奏で、一瞬で終わってしまうのが惜しいほどです。ツーバスなどを使ったメタル／ハードコア的な場面も出てきますがひょっとしたらルーツはこちらの方にあるのかも知れません。さらに3人とも静止して1分近く動かない場面があったり、右のgの人が訳のわからないことを口走って他の2人に突っ込まれたり、最後は照明を真っ暗にして回転灯を回しながら延々15拍子のリズムを刻み続けてそのまま何事も無く終了するなど、不条理ギャグ的な場面が挟まれるのもユニーク。ライヴでは2人のギタリストの個性が分かるのも面白い（左の人はフェイザーを使ったジェットサウンドを要所で差し挟む、右の人はステージの盛り上げ役も担当する、など）。これまで全くノーマークだったのが申し訳ないぐらいの内容でした。終演後、物販に行ったら当然のようにCDは売り切れで、TZADIKから出ていない方のセカンドは入手が難しいかもしれないということで通販を申し込んできました。この日の演奏の半分くらいはこのCDで聞けるとのこと。というかこれ24曲入りなんだけど、各パートに曲名があってそれをライヴ毎に再構成して演奏している、という事なんでしょうか。うーむ...。

続く2番手はHAPPY FAMILY。ステージ向かって左から森本、市川、永瀬、泉谷という並び。セッティングは基本的には9月にシルエレで行ったライヴと同じだったようです。

１．岩と若者
２．アニマル・スピリット（新曲）
３．ロドリーゴ
４．観光ポータルサイト
５．天空の違法建築
６．ティビダボ遊園地（新曲）
７．祝い砲

最初の曲はファースト１曲目の１。前回私が見たライヴではやらなかったのでこの曲を聴くのは１５年以上ぶりとなります(^_^;)。この日は物販にCDを持ってきていなかったということですが、この日演奏した曲は１以外は全て既発CDには入っていないのであまり問題ないでしょう(^_^;)。２はこの日初演の曲で、全編７拍子で統一したシンプル（彼らにしては、ですが）な曲。彼らにしては珍しくカッコ良さげなタイトルですが、実は意味はケインズの使用した経済用語だった、というハイブロウなオチが(^_^;)。３～５は前回のライヴでも演奏した曲。３は重爆疾走曲、４はラッシュのYYZ風味のリフ中心に展開する曲、５は各パートのアクセントのズレを楽しむ曲。５については「違法建築でも届出は必要」という森本らしい法律マメ知識が(^_^;)。６もこの日初演の新曲。スクエアなリズムですがメロディがかなりエスニック風なのが面白い。ちなみにこのタイトルはバルセロナにある遊園地の名前。これにちなんで森本がディズニーシーに行った際のトホホなエピソードが語られますが当然曲には関係ありません(^_^;)。そして最後はヘヴィナンバーの７で終了。ちなみにHFの次のライヴは決まっていませんが「（転換中に流れていた）Univers Zeroの新譜は１月発売です...人のバンドの宣伝してどうすんだ（笑）」

そして最後は是巨人。ステージ向かって左からナスノ、吉田、鬼怒の並び。ナスノはこの日はオーバードライブ、ZOOM B3、ヴォリュームペダルという簡素なセッティング。吉田は低めにチューニングしたセカンドスネアを使用。鬼怒はいつものストラト＋エフェクターセット。

１．Isotope
２．Arabesque
３．Heritage #1
４，Breathless
５．NerveCell
６．Four Holes In The Sky
７．Tundra
８．Clean Cut
（アンコール）
９．Betwixt

この日はナスノの音色がかなりトレブリーに歪んでいる印象です。前の２バンドの音が影響しているんでしょうか。いつもはエンディング定番の１からスタート。最後にやると例の速弾きリフが弾けなくなるので最初に演っておこうということでしょう(^_^;)。この日は各アルバムから比較的バラけた選曲（＋アルバム未収録曲）でしたが、メンバーもどの曲がどのアルバムに入っているかあまり把握していないことが露呈(^_^;)。ABC順に数えれば分かるんですけどね。３は前回のライヴでも演奏したWorld Heritageのライヴ用に書いた曲の要素を再構成したもの。もうすっかり是巨人のレパートリーになってしまっているのが流石です。６はファースト収録曲で、これも何だかんだでHFがバリバリ活動していた１５年前からやり続けている曲。ここでのナスノのリバーブのかけっぷりがかなり凄くて、演奏しながら吉田が苦笑していました(^_^;)。本編ラストは遂にトリに昇格した最新曲の８。そしてアンコールに中間インプロパートを短めにまとめた９を演奏して終了。８を最後になかなか新曲が増えませんが、終演後に鬼怒に聞いたところ、来年２月のワンマンには何曲か上がってくるのではないかということで、進展次第によっては来年にも次のアルバムが出来るかもしれないという期待が。楽しみです。

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