大友良英あまちゃんスペシャルビッグバンド
2013/12/29 新宿PIT-INN
大友良英新ピ4DAYSの4日目、大友良英あまちゃんスペシャルビッグバンドのライヴ２日目です。最後に紅白の出演が残されているとはいえ、この日が本当にラストライヴです。この日もチケットは完売。
メンバー及びステージ配置は以下の通り。
Sachiko M 木村仁哉 小林武文 かわいしのぶ
(sinewaves) (tuba) (ds) (b)
近藤達郎 上原なな江 相川瞳 大口俊輔 江藤直子
(kb,harm) (perc) (perc) (acc) (p,kb)
高井康生 斎藤寛 井上梨江 江川良子 東涼太 鈴木広志 佐藤秀徳 今込治 大友良英
(g) (fl) (cla) (sax) (sax) (sax) (tp) (tb) (g)
この日は芳垣はOrquesta Libreのライヴがあるため欠席、代わって前日パーカッションを担当した小林がドラムに回ります。小林が担当していたチャンチキ類は上原が担当。それ以外は基本的なセッティングは昨日と同じ。江藤のピアノは前日は蓋を閉じていましたがこの日は開いた状態で演奏。そのためか前日よりもよく聞こえます。
１．あまちゃんオープニングテーマ
２．あまちゃんクレッツマー
３．あまちゃんのワルツ
４．銀幕のスター
５．琥珀色のブルース（＋長見）
６．いらないバイク買い取るゾウ（＋U-zhaan、長見）
７．芸能界（＋U-zhaan、Sachiko M）
８．トンネル・大地（＋Sachiko M）
９．友情と軋轢（＋Sachiko M）
１０．海（＋Sachiko M）
（休憩）
１１．潮騒のメモリー（＋Sachiko M、高井）
１２．Time
１３．その街のこども（＋阿部）
１４．町（＋阿部）
１５，アキのテーマ（＋阿部）
１６．アイドル狂想曲
１７．地元に帰ろう（＋Sachiko M、阿部、長見、高井）
１８．希求
１９．灯台
２０．暦の上ではディセンバー（＋Sachiko M、阿部、長見、高井）
（アンコール）
２１．潮騒のメモリー（＋Sachiko M、阿部、長見、高井）
２２．あまちゃんオープニングテーマ
大友は昨日と同じくレコ大用に買ったというスーツ姿。ちなみに大友自身は紅白のリハのため出席はできなさそうで、代わりにさっちゃんが受け取ることになりそうとのことです。どちらにせよ放送が楽しみです(^_^;)。大友は客席を見渡し、昨日と同じ顔ぶれが多いのを見て「...同じ話出来ないなあ（苦笑）」ドラムが芳垣から小林に代わって、割と落ち着いたアンサンブルになったという印象、というか芳垣のプレイスタイルがいかに特徴的かが聴き比べると良く分かります。２のソロ回しは前日同様ですが、上原＆相川のパーカッションデュオの場面で、カリンバを使った場面が微妙感満点で面白い。３のリコーダーのエピソードで、かつて大友のバンドでリコーダーとベースを担当しており、ご近所住まいの栗原正己（もちろんあの栗コーダーの人）からチクチク言われてるんだとか(^_^;)。４の演奏前に、この日のメンバーが見事にジャズ出身者がいないことが判明（前日は辛うじて芳垣がいた）。大友「金子マリとバックスバニーはダメ？」近藤「ダメに決まってるじゃん（笑）」５でこの日の目玉ゲストの１人、長見順が登場。サントラのオリジナル・ヴァージョンを弾いているこの人と大友のブルースギターバトルからスタート...したものの途中で長見が笑ってしまい演奏中断となる場面も(^_^;)。前日では大友がこの曲では引き倒していましたがここでは長見とリレー形式でソロを取り合います。最後は２人共ギターのチューニングを変えまくっての演奏。そしてもう１つの目玉は「本邦初演、ドラマの中での最重要曲」と紹介された６（このネタ、以前別の曲でも使われてましたが(^_^;)）。ここではステージ前にテーブルが用意され、そこにタブラが３台用意されて、前日のツイートで仄めかされていたとおり遂にU-zhaanが登場。彼が参加するのはNHKのスタジオ・ライヴ、福島でのライヴ等極めてレアです（MCでは「芸能界」を紹介するとき毎回ネタ扱いで名前が出てくるため、ある意味レギュラーメンバーです(^_^;)）。上原＆相川も前面に出てきてコーラスで参加。当然あっという間に終わってしまいますが長見が歌で入るのを忘れてしまい再演することに(^_^;)。U-zhaanはこれだけで終わりということでしたがせっかくなので次の７にも参加してもらうことに（これも当然そういうネタ）。ここではU-zhaanのタブラがイントロ・中間部とたっぷりとフィーチュアされます。前日と同様８と９はさっちゃんのサイン波入りで演奏。大友は弦をクリップで挟んでガムランのような倍音を加える奏法を使いますが、前日は高音弦でこの日は低音弦に使用しているのが面白い。１０は突然の大友の思いつきによりさっちゃんを入れて演奏することに。出番終了と思って機材の電源を切ってしまっていたところから急な度合いが分かります。７〜９のような曲にサイン波が合うのはある程度予想出来ましたが、この曲にこれほどサイン波が合うとは全く予想していませんでした。これは他の劇伴曲にもサイン波を入れた編成で聞いてみたくなりました。
後半はさっちゃんが１人で歌う１１からスタート。前日はサンズ・リバーズがいましたがこの日は不在で、代わりに今込がノーマイクの裏声でやって、さっちゃんまで歌いながら爆笑していました（...ダメじゃん(^_^;)）。前日同様１３〜１４にはゲストの阿部芙蓉美が参加しますが、前日と違うのはインスト曲の１５にも阿部がスキャットで参加した点。この曲は当初潮メモの候補曲として作られ没になったものを再生したもので、歌詞もちゃんとメロディに当てられるようになっているそうですが、ここは歌詞付きで聞いてみたいところでした。１６は前日同様、チャンチキトルネエド勢のソロをたっぷり入れた２段階転調アレンジでの演奏。江川はこれで最後ということもあってかメンバー紹介時だけでなくソロでも猫の声を出しまくり、さらに他のメンバーも絡んできて猫の集会状態に(^_^;)。１７は前日の高瀬と長見が入れ替わり。長見は曲中は大人しめでしたが最後のサンバになってからの追っかけコーラスで本領を発揮。さすがです。１８〜１９を続けて演奏するのは昨日と同じ形態。そして最後はやはり３人が歌う２０。前日同様大友は激しいアクション入りでノイズを出しまくり、歌パートでは狂ったサーフ・ロック調で刻みまくり、そして中間部のラップパートでもシャウトしまくりで、完全に歌う３人を食ってしまっています(^_^;)。そしてアンコールも同じメンバーで２１を、さらに２２を再演して終了。この日も終了時間は２３時に及ぶ大ボリュームでした。
基本的には前日と同じプログラムでしたが、ゲストの入りや追加曲以外にも演奏内容の細かい部分で違いが大きく、２日続けて見ても全く飽きない内容でした。「あまちゃんスペシャルビッグバンド」名義の活動は年内で終了で終了ですが、来年以降もこの編成に近い違った形で活動を続けていくことも考えているとか。個人的にはあまちゃん曲以外にも他のサントラや、ONJOやGROUND ZEROのプレイズ・スタンダード期あたりの大編成用の曲をこのバンドで聞いてみたいなあ。期待したいところです。
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