津山篤＋田畑満
2014/1/18 高円寺・円盤
津山篤と田畑満のデュオライヴです。このデュオは「北白川ファッションヘルス・エンジェルス」という酷い名前が付けられています(^_^;)。まあユニット名はともかくこの２人のライヴなので硬軟どちらに転んでも面白い内容になることは間違いないでしょう。会場は立ち見も出る盛況ぶりでした。
ステージ向かって左に田畑、右に津山が位置。田畑はエピフォンの緑のWilshureギターを使用。エフェクターはワウペダル、Fulltone OCDファズ、Super Shifter（ピッチシフター）、TCエレクトロのDITTO（小型ルーパー） ディレイを使用。津山はエレアコギターにTube Screamerを通したものと、ヤマハのポータトーン（PSR-240）をループ用のディレイに入れそれぞれのアンプに出力。
１．まずはギターデュオインプロからスタート。津山はディレイループを使ってアコギのリフやフレーズをどんどん重ねていき、これに田畑もフレーズを乗せていきます。田畑はピッチシフターを使ってかなり高いピッチに変換した音を使用。これがマイク・オールドフィールドのダブルスピードギターに似た効果が出ていて面白い。津山もファズトーンのソロを加え、ギター２本でありながらかなり密度の濃いアンサンブルを作り出します。そのうち津山は、開演前に店内で買ったセルジオ・メンデスの1967年の大阪万博のライヴLP（津山は幼少時この公演を現場で見てるんだとか）を取り出し、歌詞カードを見ながら歌いだします。てっきりポルトガル語かと思ったら出てくるのはドック・オブ・ザ・ベイだったりフール・オン・ザ・ヒルだったりしていちいち爆笑。津山「英語のカバー曲ばっかりや。日本をなめてる（笑）」
２．津山が適当に作った曲「サイケデリックがやって来る」（曲名は私が勝手に付けています(^_^;)）を演奏。ブルージーな演奏に津山が歌を乗せます。シタール云々の下りではちゃんとインド風のフレーズが出てくるのがさすが。そのうち"Pink Lady Lemonade"のリフが飛び出してその後は...「くれぐれもご内密に（笑）」との事なので詳細は割愛します(^_^;)。知らんぞー。
３．田畑が歌うニール・ヤングの「ライク・ア・ハリケーン」。この曲はどん底ハウスの閉店ライヴの際にこの２人が歌ったという思い出の曲だとか。
４．「北白川ファッションヘルス・エンジェルスのテーマ」を演奏。２人が若かりし頃京都の安田荘というアパートに住んでいた時の思い出をブギぽい演奏に乗せてい歌います。つい最近田畑もこのあたりを訪ねて、当時の思い出をネットに書いたりしていたので、その流れから出来た曲なのかもしれません。関西シーンの重要人物がどんどん歌詞の中に出てきて、ここがまさに「関西ロックシーンのトキワ荘」だったことが伺えます。
５．「こんなん続けていい？（笑）」ということで「フュージョン野郎」という曲を演奏。これはタイトルで歌詞の内容は予想つくと思いますが(^_^;)、演奏の方もそれっぽいカッティングやユニゾン速弾きを入れ、さらにありがちなステージアクションも盛り込みます。
６．津山の弾くポータトーンのオルガン音色を中心にした演奏。これもディレイループを使って演奏を重ねていき、ミニマル的なアンサンブルを構築していきます。後半はプリセットのリズムパターンやピアノ音色なども使用。
７．田畑のヴォーカル曲「月の石」を演奏。日本語詞のフォークロック的な歌を聞かせます。最後は津山が「夢の中へ」をかぶせて歌います。「いい歌を台無しにしてすまんかった（笑）」
８．本編最後はなんとストーンズの「ギミー・シェルター」を歌います。実は津山はストーンズが大好きで「ビル・ワイマンが辞めた時にアピールしようと想い出波止場の大音楽を送った」んだとか。その後は何の連絡もなかったそうですが...(^_^;)。フォーク／トラッド的なアレンジで始まるのがなかなか新鮮で面白かったですが、その後はお約束通り津山のミック・ジャガーの物真似芸がさく裂(^_^;)。
９．アンコールセット。ポータトーンのプリセットのカラオケをバックにアニマルズの朝日のあたる家を津山が熱唱。途中からフリーなピアノからチューブラー・ベルズぽいリフのループ（本物とは微妙に譜割りが異なっているのが面白い）や、スターウォーズのテーマなどを重ねてぐちゃぐちゃの音へ。その後津山がポータトーンの操作に苦戦して微妙な間が出来てしまいますが、ようやく出てきたのがまた朝日のあたる家で全員爆笑して終了。特に田畑が一番ウケていました(^_^;)。ここまでノンストップ１時間半の演奏。
バンド名や宣伝写真のために結成したバンド、という出オチ感満載のバンドでしたが、お笑いだけではなく音楽的な内容も伴ったライヴでした。また、津山のこの日のコンセプトは「田畑君に楽しんでもらう（笑）」ことだそうで、これについては十分すぎるほど達成できたのではないかと思います。津山は今後、昨年末に関西でツアーを行ったホッピー神山とのデュオをここでやりたいとか、4/13にサイケ奉行がらみで大きな企画があるとかで、今後も楽しそうなライヴが続きそうです。
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