PARA、数えきれない　7/26

PARA、数えきれない

2015/7/26　吉祥寺STAR PINE'S CAFE

PARAの大阪～東京～名古屋と続くツアーの中日として行われたライヴです。この日は対バンを加えたツーマン。ちなみに前日の大阪はさらにバンドが多く、逆に最終日の名古屋はワンマン。個人的には名古屋のワンマン見たかったですが...。この日はPARAのライヴということでこの会場には珍しくほぼオールスタンディング（後方に少数椅子席あり）。２階席も正面側は数えきれないのビジュアル関係の機材が占拠しています。

まずは数えきれないの演奏から。これは京都の女性のみの３ピースバンド。全員がヴォーカル／コーラスを担当し、ギターは12弦のものを、エフェクターはリバースディレイ、ファズ、ワウペダルを使用。おしゃれでポップでコンパクトでMCが脱力系な女性バンド、というと決して私の好きなタイプのバンドではありませんが、これは変拍子（５拍子を多用）を使ったり、裏と表がひっくり返ったような錯覚をするようなリズムを使ったり、ポリリズミックにずれていくコーラスを使ったりと、仕掛けのある曲が多くて意外に楽しめます。特に印象深かったのが最後から数えて２曲目にやった、シンプルなリズムが続く中ノイジーなギターのソロ（ディレイがファズの前段にあるので、決して広がらず圧縮された音塊のようになるのが特徴的）と、その背後でよく動くベースラインの曲。これは凄いと思ったらその後にそれ以前の路線の脱力系の曲を入れて終了。あくまでメインはこっちの方ということでしょうか。９曲４０分の演奏。

セッティング変更の休憩を挟んでPARAの演奏へ。ステージ向かって左からEXPE、西、千住、山本、家口という並び。ステージ幅が狭く奥行きのあるこの会場の関係か、いつもに増して山本が奥に引っ込んだ配置になっているように感じます。EXPEはTESCOのSPECTRUMを使用。エフェクターは一時よりもかなり減ったように感じます（多いときはこの３倍くらいあった）。西はコルグX50とベース用のモノシンセ（未確認だがマイクロムーグだった模様）を使用。モノシンセの方はベースアンプから音を出力。千住は２タム１フロアのセット。山本は黒ストラトを使用。エフェクターはDOD PreAmp 250、オーバードライブ、トレモロパン、ピッチシフター、リバーブ、ディレイ。先日からTube Screamerが無くなっているのが気になります。家口はスタンド上段にNord Lead 2XとコルグRadiusのモジュール部分を、下段にローランドのA-49をセット。A-49はUSBで左手側のMacBook（音源用？）に繋がっています。足元にはペダル類とLine6のDL4などをセット。

　１．Corint
　２．Jack
　３．新曲
　４．M/O
　５．Mirage
　６．FretWorks
　７．Palmet
　８．Pastral
　９．Arabesque
（アンコール）
１０．Crystal Code

前回のWWWはステージ近くで見てもシンセ等のラインの音のバランスが完璧な音でしたが、今回はまたちょっとステージ上の生音のバランスが勝っているという印象に戻りました。EXPEのアンプが前の方で山本のが後ろ寄り、というのもバランスに影響していたかもしれません（途中で山本がアンプの音量を上げる場面が見られた）。家口のキーボードセッティングが変わったせいか、A-49を使ったアコピ音色がちょっと増えた印象を受けました（これは気のせいかも）。３は今ツアーから加わった新曲。基本は５拍子で進行し、それにギター２本と家口のユニゾンによる長いサイクルのテーマリフが乗る形が基本で、スネアの位置がずっと裏で入っているのが特徴的。そして中盤は４＋５のポリリズムに展開しますが、２のような刻みではなくリフを４拍子化して重ねるのがポイントか。このバンドらしいユニークなアイディアの曲。現時点でアルバム未収曲は５、６、８と合わせて４曲。次のアルバムまでもうちょいか。新曲以外はわりといつも通りに進んでいきますが、６の中盤以降で突然山本が荒ぶったカッティングを弾き出したのが面白い。他のメンバーの端整なアンサンブルとは違った感覚で演奏しているのが明らかで、その温度差が凄い。アンコールは前回ワンマン時にもやった１０で終了。この曲は何度も書きますがこのバンドの曲の中でも個人的に最も好きな曲で、最高のダンスミュージックだと思っています（そう思ってるのは私だけだと思いますが(^_^;)）。アンコールも含め１時間４０分弱の演奏。ワンマン時の２時間には及びませんでしたが、結構たっぷり聞けたので大満足です。

PARAのライヴを見るときは普段と違う脳味噌の部位を使うためか、演奏後になぜか頭が痛くなってしまいます（一晩寝れば直る）。もうちょっと曲が追加されればいよいよ待望のサードアルバムのリリースが期待できそうです。そのためにはもうちょっと活動ペースを上げてほしいところではありますが...。

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